以上が、健康診断の精査についての説明です。
自覚症状に乏しくても、病気は放置すると重症化する恐れがあります。
健康診断の精査は早めにしましょう。
当院では、生活習慣病の専門家が対応しております。
ご不安・ご不明な点があれば、ご相談頂けると幸いです。
Medical
健康診断は、健康の保持増進を目的として、自覚症状の乏しい病気(例:生活習慣病)や、
結核等の公衆衛生上問題となる病気などを早期発見するために行っています。
健康診断で異常が発見されたときには、その程度に応じて、検査や治療が必要になります。
当院で精査可能な健康診断の項目は下記になります。
(1)体重(やせ・肥満)
(2)尿検査(尿糖・尿蛋白・尿潜血)
(3)血液検査の異常全般(血糖・脂質・肝機能・貧血 他)
(4)血圧(高血圧)
以上の項目の検査が可能です。
(精査の結果、専門施設での追加検査・加療が必要と判断した場合には紹介させていただく場合がございます。)
以下の他項目については各医療機関への受診が望ましいです。
(受診前に各医療機関にお問い合わせ下さい。)
視力 | 眼科 |
---|---|
聴力 | 耳鼻咽喉科 |
胸部X線 | 肺の異常影:胸部CTを撮像可能な施設 心陰影の異常:循環器内科 |
心電図 | 循環器内科(診断確定にホルター心電図・心エコーが必要となる場合があるため) |
がん検診で異常を指摘された方の精密検査には対応しておりません。
各種のがんの専門科をもつ医療機関にお問い合わせ下さい。
<体重(やせ・肥満)の精査の流れ>
体重(やせ・肥満)の精査は、問診、身体診察、血液検査等をおこないます。
一般的に、体のエネルギーバランスが正か負に偏ると、体重は増減します。
短期間で急激に体重が変化している場合には、新陳代謝のホルモンである甲状腺ホルモンの分泌異常が生じていたり、エネルギーを多大に消費する悪性腫瘍が発生していたり、血糖コントロールの非常に悪い糖尿病を発症していたりなど、重篤な病気の可能性も考えられるため、早めに外来を受診しましょう。
<尿糖・高血糖の精査の流れ>
糖尿病は、血液中の糖分が高くなる病気です。
健常な方の血糖値は、食前・食後ともに100mg/dl前後に維持されています。この血糖値が一定以上(160~180mg/dl)に上昇すると腎臓が糖分が漏れ出し、糖尿(=尿糖陽性)になります。(糖尿病は、尿に糖が下りる病気と書きます。)
体質的に、腎臓から糖分が漏れ出す方(=腎性糖尿)もみえるのですが、尿糖をきたす最も多い原因は、糖尿病です。
尿糖・高血糖の精査は、初めに、健康診断の結果の確認、問診、診察、血液検査等をします。その結果をふまえて、糖尿病である事が明らかでない場合には、糖尿病診断の精密検査として、経口血糖負荷試験*を行います。
(健康診断の検査結果で、糖尿病と診断された方は治療に移ります。)
* 経口血糖負荷試験は、前日の夕食後から絶食が必要なため、別日の予約検査になります。
具体的な方法・注意事項は、外来にてご説明しますが、概略は下記の通りです。
① 前日の夕食後から絶食します。
② 検査当日の朝10時に外来受診し、採血します。
③ 75gのブドウ糖(=300kcal)の入った水を飲みます。
④ 内服30分後、60分後、120分後に採血し、検査終了です。
(所要時間は、外来受診~会計までで、2時間30分~3時間になります。)
⑤ 次回の外来時に検査結果を説明します。
<血中脂質の精査の流れ
(トリグリセライド・HDL-コレステロールLDL-コレステロール)>
脂質異常の精査は、問診、身体診察、血液検査等を行います。
中性脂肪やコレステロールが上昇する原因には、体質・遺伝的なものに加えて、肥満、ホルモン異常、加齢等に伴うものなど様々な原因が考えられます。全身の状態を評価したのち、治療方針を決定します。
<肝機能検査の精査の流れ(AST・ALT・γ-GTP)>
AST(=GOT)、ALT(=GPT)、γ-GTPは、肝臓が障害された時に上昇する酵素です。(ASTは、肝臓以外の臓器が障害された時にも上昇します。)そのため、数値が上昇している場合には、肝臓の障害が示唆されます。
肝臓が障害される原因には、脂肪肝、肝炎(A型・B型・C型)、自己免疫性肝炎など様々な原因が考えられるため、問診、身体診察、血液検査、腹部エコー検査などを行います。
<その他の血液検査・尿検査の精査の流れ>
その他の血液検査・尿検査の精査は、問診、身体診察を行い、血液・尿検査等を行います。特殊な血液検査が、病気の診断のために必要な場合があり、1~2週間以降に結果説明のために再受診していただきます。
<血圧(高血圧)の精査の流れ>
血圧は、興奮したり、緊張したり、白衣の人を前にすると、高くなることがあります。そのため、高血圧の精査は、自宅でも血圧が高いのかどうかを調べるところから始まります。
そのため、可能なら、外来に受診される前に、朝食前と眠前に、リラックスして、安静にした状態で、心臓の高さでカフを巻き、毎回2回、測定した血圧の記録を持参して頂けると幸いです。
日本人の高血圧の大部分は、原因がはっきりしない高血圧(本態性高血圧)ですが、一部の方では、血圧を上げるホルモンの異常などで高血圧(二次性高血圧)をきたしている場合があります。
初回診察時には、問診、身体診察、血液検査等を行います。
特殊な血液検査が、病気の診断のために必要な場合があり、1~2週間以降に結果説明となります。
精密検査の費用について
精密検査の費用については、検査する項目により費用が変わるため、一概には言えません。
初診時の自己負担額(3割負担時)は、特殊な場合を除き、検査費用を含めて、1万円弱未満に収まります。(多くの場合、自己負担額(3割負担時) は、6,000円~7,000円前後です。)
初診時には、1万円弱をご用意頂けますと幸いです。
※上記の費用に、調剤薬局における調剤費や薬代は含みません。
以上が、健康診断の精査についての説明です。
自覚症状に乏しくても、病気は放置すると重症化する恐れがあります。
健康診断の精査は早めにしましょう。
当院では、生活習慣病の専門家が対応しております。
ご不安・ご不明な点があれば、ご相談頂けると幸いです。