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高脂血症(脂質異常症)ってどんな病気? ー コレステロール・中性脂肪と動脈硬化の話|名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院|名東区の糖尿病専門医

高脂血症(脂質異常症)ってどんな病気? ー コレステロール・中性脂肪と動脈硬化の話

高脂血症(脂質異常症)ってどんな病気? ー コレステロール・中性脂肪と動脈硬化の話|名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院|名東区の糖尿病専門医

高脂血症(脂質異常症)ってどんな病気? ー コレステロール・中性脂肪と動脈硬化の話

公開日: 2019年9月28日

最終更新日: 2021年9月22日

高脂血症(脂質異常症) コレステロールと中性脂肪
 
 
今回は、「高脂血症はどんな病気か?」を説明します。
 
健康診断で悪玉コレステロールや中性脂肪が高いことを指摘され、「高脂血症(脂質異常症)の治療が必要ですね。」と言われる方もみえると思います。
 
ところで、この高脂血症とはどういう病気なのでしょうか?
 
簡単に説明すると、
 
コレステロールや中性脂肪が高くなり、
ドロドロの血液が、長期間流れ続けます。
 
すると、血管の壁に色々とこびりついて、
血管が固くなったり、詰まったりするなどの動脈硬化を起こす病気
です。

 
正確には、高脂血症(脂質異常症)は、血液中の脂質が異常を示す病気です。
 
血液中には、脂肪が含まれており、脂肪分はいくつかのタイプに分けられています。
 
代表的な脂肪分としては、
 
(1)LDL-コレステロール
(2)HDL-コレステロール
(3)中性脂肪(トリグリセリド)

 
あります。
 
LDL-コレステロールは、別名、悪玉コレステロールと呼ばれています。
 
LDL-コレステロールは、体の各細胞にコレステロールを運んでいます。
 
あまりに多いと、血管の壁にコレステロールが沈着して固くなる動脈硬化をきたします。

 
HDL-コレステロールは、別名、善玉コレステロールと呼ばれています。
 
HDL-コレステロールは、増えすぎた余分なコレステロールを回収します。
 
血管壁にたまったコレステロールを取り除いて、肝臓へ戻す働きがあり、動脈硬化を抑える働きがあります。

 
中性脂肪は、エネルギー源として利用されます。
 
多すぎると、血管の壁に沈着して、動脈硬化をひきおこします。

 
高脂血症(脂質異常症)の診断基準は、
 
LDL-コレステロール      120mg/dL 以上
 
HDL-コレステロール      40mg/dL 未満
 
トリグリセライド(中性脂肪) 150mg/dL 以上
 
のいずれかを満たす場合とされています。
 
(診断基準にnon-HDL-コレステロール血症が含まれていますが、分かりにくいため、表記を省略します。)

 
この三つの値のいずれかがその至適範囲を超えると、「高脂血症」または「脂質異常症」と呼ばれます。
 
先ほど述べたのは、脂質異常症と診断する際の基準値ですが、治療目標(管理目標)は別に定められています。
 
HDL-コレステロール、トリグリセリド(中性脂肪)の治療目標は、基準値内を目指します。
 
(治療目標:
HDL-コレステロール 40mg/dL 以上
トリグリセライド(中性脂肪) 150mg/dL 未満)

 
LDL-コレステロールについては、年齢・持病によって計算される心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の発症リスクに応じて、管理目標値が上下することに注意します。
 
例としては、

 
高血圧・糖尿病のない男性40歳未満、女性60歳未満の低リスクの方・・・ LDL-コレステロール 160mg/dl 未満
 
未満動脈硬化を引き起こす高血圧や糖尿病等の病気のある高リスクの方・・・ LDL-コレステロール  120mg/dL 未満  
 
などになります。
 
心筋梗塞の既往がある方などでは、再発のリスクを避けるため、さらにLDL-コレステロールを下げた方が良い場合がありますので、主治医の先生とご相談下さい。
 
 
最後に、高脂血症と脂質異常症の違いですが、一般的には、脂質異常症は、高脂血症とほぼ同じ意味で使われています。

 
これは、善玉のHDL-コレステロールが低くても、動脈硬化のリスクが高くなりますが、
 
高脂血症の名称では、脂質が高いことを意味するため、HDL-コレステロールが低い人は含まれません。
 
そのため、以前の「高脂血症」という病名から、より正確な「脂質異常症」という呼び方に変わりました。
 
血液中の脂質値が異常でも、通常、症状は現れませんが、放置すると、動脈硬化をきたします。
 
さらに、肥満、糖尿病、高血圧などの動脈硬化を促進する病気に罹患していたりり、喫煙している場合には、さらに動脈硬化が進みやすくなります。
 
動脈硬化が進行していくと、将来的には、全身の血管が、狭くなったり、閉塞したりして、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気をひきおこします。
 
健康診断で、高脂血症を指摘されたら、早期受診・早期治療をしましょう。
 
文責・名古屋市名東区の糖尿病内科 アスクレピオス診療院 服部 泰輔
 
 
参考文献:Japan Atherosclerosis Society (JAS) Guidelines for Prevention of Atherosclerotic Cardiovascular Diseases 2017
 
 
 
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