良い内科医(糖尿病内科医)の見分け方
良い内科医(糖尿病内科医)の見分け方
公開日: 2019年12月20日
最終更新日: 2019年12月25日
世の中には、大勢の内科医の先生がいますが、どの先生の技量が高くて、どの先生の技量が低いのかを見分けるのは難しいです。
一般の方から見ると、治療成績の良い先生が良い先生と思われるかもしれませんが、一概にそうだとは言えません。
理由は、病気が治るかどうかというのは、治療を受ける患者さんの年齢や病状等の影響が大きいからです。
この事について、最も分かりやすい例は、がん治療でしょう。
病院間の治療成績をがんの5年生存率で比較する事があります。
この病院は、5年生存率が良いから優れている、または、生存率が低いから悪いなどと、紹介されていることがあるかもしれません。
しかし、同じステージのがんでも、もともとの治療を受けるがん患者さんの状態は、人により大きく異なります。
がん以外に特に病気がない方と、糖尿病などの持病があり、心臓や腎臓がすでに悪い方を比較した際に、がん手術や抗癌剤による化学療法の治療成績が異なるのは当然でしょう。
もともとの病気や合併症が多くて、難しい症例ほど、大きな病院でないと治療が難しいため、大きな病院に集まる事になります。
糖尿病の例に出すと、
清涼飲料水をがぶ飲みしたために高血糖になった若い2型糖尿病の人では、例え、HbA1c 14%、随時血糖 700mg/dlと非常に高値であっても、食事療法に加えて、血糖降下薬やインスリンを使用すると、体からインスリンが分泌されるようになり、糖尿病が非常に良くなる場合は多々あります。
逆に糖尿病の罹病期間の長い高齢者では、薬を追加しても、血糖値があまり改善しないときもあります。
そのため、治療の結果が良いことは、すぐにその先生の治療が優れていることには結び付きません。
では、どのように見分けるかと言うと、次の点が良いと思います。
以上になります。
糖尿病・高血圧・高脂血症などの生活習慣病では、これまでの病気の経歴(いつから発症して、どのように治療をおこなって、現在はどうなっているのか。)やどんな病気になりやすいかなどを把握するのに、20分 ~ 30分前後の時間がかかります。
血糖値を下げる糖尿病の薬を一つとっても、さまざまな薬があり、同系統の薬でも、効果が持続する時間や血糖値の下がり方、副次的な効果の出現程度が異なります。
投薬以外でも、医療行為を行う場合には、その行為を行うための妥当な理由が必要です。
そのため、なぜ、別の薬ではなくて、この薬を使用するのかなど等の理由を説明できる必要があります。
また、医療行為を行う場合には、ある程度のその分野の治療を専門的に行った一定の経験があるのが望ましいと考えます。
先生の経歴をみると、開業前の病院勤務時と、開業後で標榜する専門科が異なる先生が時々みえますが、避けた方が良いでしょうね。
以上が、良い内科医(糖尿病内科医)の見分け方になります。
皆さんの参考になれば、幸いです。
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生