糖尿病と肺炎
糖尿病と肺炎
公開日: 2019年5月1日
最終更新日: 2022年12月31日
本日は、糖尿病と肺炎の関係について解説します。
肺炎は、日本人の死因の第5位を占めています。
病院外で発症した肺炎(市中肺炎)の起炎菌としては、肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌が多く、その次に、非定型肺炎の起炎菌である肺炎クラミジア、肺炎マイコプラズマなどが占めています。
高齢になるにつれて、免疫力が低下するため、肺炎にかかるリスクは上昇します。
高齢者の肺炎は、若年者と比較し、発熱・咳などの自覚症状に乏しい事が多く、重症化するまで発見できず、治療が遅れる場合があるため、注意が必要です。
糖尿病の人は、糖尿病のない人と比較し、さまざまな感染症に弱くなることが知られています。
1997年から2004年に、デンマークの北部で成人29900人を対象にして、糖尿病の有無が、入院を要した肺炎患者の予後に影響を及ぼすかどうかを調査する研究が行われました。
肺炎で入院された人のうち、糖尿病の人は、2391人(9.8%)が含まれていました。
結果は、糖尿病のある人は、糖尿病のない人と比較し、死亡するリスクが、10%~20%程度高くなるという事が判明しました。
また、入院時の血糖値が高い人ほど、予後が悪くなることも報告されました。
糖尿病の人が肺炎のリスクを下げるためには次の事が必要です。
糖尿病のある高齢者は、特にリスクが高いため、肺炎対策をしっかり行いましょう。
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文責・名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生