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糖尿病食事療法 ー カロリー計算・食品交換表と単位とは?|名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院|名東区の糖尿病専門医

糖尿病食事療法 ー カロリー計算・食品交換表と単位とは?

糖尿病食事療法 ー カロリー計算・食品交換表と単位とは?|名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院|名東区の糖尿病専門医

糖尿病食事療法 ー カロリー計算・食品交換表と単位とは?

公開日: 2019年10月15日

最終更新日: 2022年12月30日

 
糖尿病の食事療法 
 
標準体重からのカロリー計算と食品交換表、食事単位の説明です。
 
今回は、一般的な糖尿病の食事療法について説明します。
 
糖尿病の食事療法中でご飯を食べようか迷うリス
どんなご飯を食べようか迷うリス
 
 

 
 
 
 

1日の摂取エネルギーの計算

 
食事療法の基本的な考え方は、必要な栄養素を不足なく摂取することです。
 
1日の必要エネルギーの計算は、標準体重に身体活動量をかけたものを用います。
 
標準体重は、下記の式で計算されます。
 
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
 
たとえば、
 
身長 160cmの人の標準体重は、56.3kg
身長 170cmの人の標準体重は、63.6kg
 
になります。
 
気づいた方もみえると思いますが、
 
標準体重の計算には、男性と女性で同じ式を使います。
 
男性と女性では骨格も筋肉量も違います。
 
さらに、年齢による補正もありません。
 
女性と男性、20歳と70歳で同じ筋肉量や身体の構成であるわけがないですよね。
 
という事で、標準体重とは、かなり適当な数値です。
 
標準体重は、本来は身体が完成する20歳前後の数値を使うべきでしょう。
 
(栄養失調によるやせ・栄養過多による肥満の人は除きます。)
 
次に身体活動量をかけます。
 
軽度の労作(デスクワーク、主婦など) 
・・・ 25~30 kcal/kg

 
普通の労作(立ち仕事が多い職種) 
・・・ 30~35 kcal/kg

 
重度の労作(力仕事の職業) 
・・・ 35以上 kcl/kg

 
以上になります。
 
人の消費カロリーは、基礎代謝が占める部分が多いのですが、
 
計算式では、年齢・性別に関わらず同じ式を用います。
 
・・・という事で、
適切なカロリーが計算できました。
 
40歳 男性 身長170cmで普通労作の方の摂取カロリーは、標準体重 64㎏×30~35kcal/kgで、1920~2240kcalです。
 
厚生労働省の同年代の成人男性の推定エネルギー必要量は、2650kcal とされています。
 
結構、差がありますね。
 
→ 厚生労働省 日本人の食事摂取基準」(2015年版)
 
長期的な視点でみると、摂取しているカロリー量で維持可能な体重に落ち着きます。
 
肥満の方では、減量するために、摂取エネルギー量をさらに低く設定する事があります。
 
極端な例を示すと、高度肥満の人に行う極度の低カロリー療法は、超低カロリー食(VLCD very low calorie diet)と呼ばれ、1日の摂取カロリーを200kcal~800kcalに制限します。
 
ここまでするなら、カロリー消費目的で一日プールに浮かんでいた方が良さそうです。
 
 
 
 

食品交換表を用いた食品選択

 
適性カロリーが決まりました。
 
次は栄養素を過不足なく摂取していきます。
 
エネルギーは、炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素になります。
 
炭水化物 :摂取エネルギーの50~60%
たんぱく質:標準体重1kg 1.0~1.2g
脂質   :摂取エネルギーの20~25%
 
を摂取します。
 
そして、ミネラルやビタミンなどを不足なく摂取します。
 
でも、何をどの程度、食べれば良いのでしょうか?
 
ここで登場するのが、食品交換表です。
 
食品交換表は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を含んだ食品群を6種類に分類した表です。
 
「食品交換表」の構成です。
 
表1・表2は、主に炭水化物を含む食品
表3・表4は、主にたんぱく質を含む食品
表5は、主に脂質を含む食品
表6は、ビタミン・ミネラルを含む食品
その他 調味料 になります。
 
食品交換表では、80kalを1単位として計算します。
 
これを表毎に単位数を決めます。
 
食品交換表による栄養指導で 材料 〇〇gと言われても、
 
普段、料理しない人は、チンプンカンプンですね。
 
以上です。
 
 
 
 

結論

 
話をまとめると、
 
標準体重(本当?) × 身体活動量に応じたカロリー(本当?) = 適性カロリー???(えっ!?)
 
適性カロリー???を6つの表に分類して、
食品を選択します。
 
結論です。
 
色々と考えると、糖尿病の食事療法は、
 
1:長期のエネルギーバランスは、体重の推移で確認。
(筋肉量・体脂肪量が測定できると良い。)
 
2:ビタミン・ミネラルを不足なく摂取する。
野菜(緑黄色野菜 1/3以上)360g/日以上
塩分は必要に応じて制限
 
3:見た目としてバランス良い食事
 
4:肥満の場合は、現在の摂取カロリーを把握した後に、カロリーを制限する。
 
5:腎機能が悪い場合は、たんぱく質の過剰摂取を避ける。
 
6:インスリン分泌が枯渇している人では、食後血糖に大きく影響する糖質量を計算する。(カーボカウント)
 
以上ぐらいが良いのではないでしょうか。
 
ちなみに、外来での指導カロリーは、
 
男性 1600~2400kcal 前後
女性 1400~2000kcal 前後
 
で少なめのカロリーで開始します。
(肥満度、年齢・身長・活動量等で変わります。)
 
そして、外来の体重推移をみつつ、体重が減少するなら、カロリーを増やします。
 
お猿さんでも摂取カロリーを制限すると、
 
老化現象が抑制されて、長生きします。
 
摂取カロリーは、少なめで始めるのが良さそうですね。
 
文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔
 
→ 糖尿病の食事の食べ方 ー 肥満・食後高血糖・血糖スパイクを抑える方法の記事
 
糖尿病食事療法 – 献立・レシピ等の食事内容を考える上で気をつけること
 
→ 「糖尿病内科 in 名古屋」の記事一覧
 
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