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高血圧とアルコール|名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院|名東区の糖尿病専門医

高血圧とアルコール

高血圧とアルコール|名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院|名東区の糖尿病専門医

高血圧とアルコール

公開日: 2021年10月18日

最終更新日: 2021年11月15日

アルコールは、世界中のほとんどの地域で飲まれている嗜好品です。

少量から中等量の飲酒は、健康に良い効果があることが報告されています。

長期にわたる大量の飲酒は、血圧上昇や、脳卒中、心房細動、睡眠時無呼吸症候群、アルコール性肝炎などの様々な合併症をひきおこすことが知られています。

本記事では、アルコール・飲酒習慣が高血圧に与える影響について解説します。

アルコールを飲むと、血圧はどうなりますか?

アルコールを飲むと、体内に吸収されたアルコールは、アルコール分解酵素によってアセトアルデヒドに変化します。

アセトアルデヒドが血液中に増加し、血管を拡げるため、アルコールを飲んだ後の血圧は、数時間、下がります。

アルコールを飲んだ直後は、血圧は下がりますが、長期にわたり、飲酒を続けると、飲酒量によっては、血圧が上昇します。

多量のアルコールを長期にわたり摂取すると、血圧は、平均約5mmHg~10mmHg程度上昇します。

アルコールの摂取に伴う収縮期血圧の上昇幅は、拡張期血圧よりもほぼ常に大きくなります。

長期間、多量のアルコールを飲み続けると、血圧が上がるメカニズムを教えてください。

長期にわたって、多量のアルコールを飲み続けると、血圧が上昇する明確な原因は分かっていません。

多量の飲酒によって、血圧が上がる原因として、次のような機序が考えられています。

飲酒習慣により血圧が上昇する推定メカニズム

  • 血管の壁(内皮)の損傷
  • 体内の血圧を感知する受容体の変化
  • コルチゾール(ストレスを受けた時に分泌されるホルモン)の増加
  • 動脈の壁のカルシウムレベルの上昇
  • 交感神経活動の活性化
  • 体重の増加

飲酒・アルコールが健康に与える影響について教えてください。

アルコールを少量~中等量を継続して摂取すると、心臓の血管の病気のリスクが低くなり、健康に良い効果があります。

しかし、多量の飲酒を続けると、逆に、脳や心臓の血管の病気は増加するため、逆に健康には悪影響を及ぼします。

下図は、世界の19の高所得国の599912人を対象にして、一週間当たりのの飲酒量と、死亡リスクと脳や心臓の血管の病気のリスクがどのように変化するかを検討した研究です。

高所得国で飲酒している人では、すべての原因による死亡のリスクは、飲酒習慣では減少せず、約100g/週の飲酒量を超えると、死亡リスクは上昇しました。

飲酒量と死亡リスク・心血管リスクの関係

左:全死亡
右:心血管疾患
縦軸:リスク
横軸:飲酒量(g/週)

飲酒量と脳卒中、心筋梗塞の発症リスクの関係

左:脳卒中
右:心筋梗塞
縦軸:リスク
横軸:飲酒量(g/週)


Angela M Wood et al. Lancet. 2018より引用

また、本研究では、心筋梗塞のリスクは、飲酒量が増えるにつれて、減少しましたが、脳卒中では、飲酒量が増えるにつれて、リスクが上昇したと報告されています。

欧米人と日本人では、体質やお酒の強さなどが異なるため、この結果がそのまま日本人に当てはまるかはどうかは分かりません。

お酒の飲み過ぎは、健康に良くないことは、確実に言えます。

アルコールを減らすとどのくらい血圧は下がりますか?

アルコールを制限すると、1-2週間のうちに、血圧は下がることが知られています。

アルコール制限によって、血圧は、収縮期血圧は平均3mmHg、拡張期血圧は平均2mmHg程度下がります。

アルコール制限により、朝や日中の血圧は低下するものの、逆に夜間の血圧は逆に上昇するという報告もあります。

普段からアルコールを多量に飲んでいる人が、急にお酒をやめると、手のふるえ、悪寒、イライラ、不安、焦燥感、不眠などのアルコール離脱症状を起こす可能性があります。

アルコールを減らす場合には、1‐2週間かけて徐々に減らしていきましょう。

アルコールには、血圧を上昇させる以外の悪影響がありますか?

長期にわたり、多量のアルコールを摂取すると、血圧上昇以外にも、次のように様々な悪影響を及ぼします。

アルコールの多量摂取に伴う健康への悪影響の例

  • 脂肪肝や肝硬変をきたす
  • すい臓に炎症(膵炎)を生じる
  • 糖尿病を発症しやすくする
  • 糖尿病の人では低血糖を起こしやすくなる
  • 中性脂肪が上がる
  • 尿酸が上がる
  • 認知機能が低下する
  • 腹部の膨満感や下痢をきたす
  • ビタミンの欠乏をおこす
  • 各種の発がんのリスクが上がる
  • 貧血をおこす
  • 免疫力が低下する

アルコールの飲み過ぎには、注意しましょう。

高血圧の人のアルコール摂取量の目安を教えてください。

高血圧の人の1日のエタノール摂取の適量としては、男性は20〜30ml以下、女性はその約半分の10〜20ml以下が推奨されています。

女性は男性よりアルコールに対しての耐性が低く、男性の半分の量が目安です。

アルコールへの強さは、人により異なっており、アルコールが分解してできるアセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド分解酵素の遺伝子(ALDH2)の影響を大きく受けます。

体質的にアルコールを飲めない人は、無理にアルコールを飲む必要はありません。

アルコールの一日の摂取量の目安(男性の限度)

  • 日本酒 1合まで
  • ビール 中瓶1本まで
  • 焼酎 半合まで
  • ウイスキー・ブランデー ダブル1杯まで
  • ワイン 2杯まで

アルコールと一緒に飲むと危険な血圧の薬を教えてください。

アルコールは、一部の血圧の薬と相互作用し、薬の副作用を増やすことが知られています。

アルコールと相互作用する代表的な薬には、硝酸塩製剤(ニトログリセリン)があります。

アルコールと同じく、ニトログリセリンには血管拡張作用があり、血圧低下を引き起こす可能性があります。

アルコールは、睡眠薬、抗不安薬、抗うつ薬などの薬の作用を増強する場合があるため、これらの薬を内服中の人は、飲酒前に、主治医に相談しましょう。

アルコールと高血圧の関係についての解説は、以上です。

アスクレピオス診療院では、糖尿病や高血圧の生活習慣病の専門家が治療に当たっています。

高血圧のことでお困りなら、当院にご相談ください。

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