健康診断の二次検査・精密検査のかかり方
健康診断の二次検査・精密検査のかかり方
公開日: 2019年5月1日
最終更新日: 2022年12月31日
定期的に行われる健康診断は、自覚症状の乏しい病気を早期発見するために行われています。
健康診断の項目には、血糖値、尿糖、脂質検査、肝機能、胸部X腺、心電図など多岐にわたります。
健康診断や人間ドックで異常を指摘された場合には、どの医療機関・診療科に受診すべきがご存知でしょうか?
はじめに、病院に受診するか、クリニックに受診するかが悩ましい所ですが、原則、クリニックに受診しましょう。
政府の方針で、総合病院とクリニックの役割分担がすすめられており、大きな病院で検査を受ける場合には、紹介状が必要になります。
次に、健康診断のどの項目でどの診療科に受診すべきかを説明します。
異常項目と受診すべき診療科は下記の通りです。
糖尿病の可能性があるため、糖尿病内科に受診しましょう。
高脂血症(脂質異常症)の可能性があるため、糖尿病内科に受診しましょう。
高血圧の可能性があるため、糖尿病内科、もしくは、循環器内科に受診しましょう。
肥満の原因のほとんどは、食べ過ぎ・運動不足ですが、新陳代謝のホルモンである甲状腺ホルモン等の異常の可能性があるため、精査が必要です。
内分泌・糖尿病代謝内科、もしくは、糖尿病内科に受診しましょう。
尿蛋白や尿潜血は、腎臓、尿管、膀胱などから出血すると認められます。
腎臓内科、泌尿器科が専門とする領域です。
蛋白尿は、糖尿病による腎臓病でも認められますが、高血糖や尿糖を伴わない蛋白尿や尿潜血のみの場合には、腎臓内科への受診が推奨されます。
(高血糖や尿糖を伴う場合には、糖尿病内科に受診しましょう。)
肺がんなどの可能性があるため、できれば、CTの撮像可能な呼吸器内科に受診しましょう。
心臓は、循環器内科が専門のため、循環器内科に受診しましょう。
聴力に異常がある場合には、耳鼻科で聴力の精密検査を受けましょう。
肝障害の精密検査は、初めは、血液検査と腹部エコーで評価します。
肝障害の原因の多くは、肥満・体重増加による脂肪肝です。
肝臓は消化器内科が専門ですが、その後の治療を考えると、スクリーニングの段階では、糖尿病内科へ受診するのが良いでしょう。
→ 健康診断の肝障害の原因の解説
便潜血検査が陽性の場合には、大腸ポリープや大腸がんの可能性があるため、大腸内視鏡検査が必要となる場合があります。
大腸内視鏡検査を行える消化器内科に受診しましょう。
腫瘍マーカーは、ある種のがんができた時に、上昇します。
ただし、がんができても、腫瘍マーカーは必ず上昇するわけではなく、正常範囲に留まる場合もある事に注意が必要です。
各種の腫瘍マーカーには、上昇した時に想定されるがんがあります。
消化器内科・婦人科・泌尿器科など腫瘍マーカーの種類に応じた診療科に受診しましょう。
腫瘍マーカーと予想されるがんの例
以上になります。
健康診断で、尿糖、高血糖、脂質異常、高血圧、肝障害等を指摘されたら、当院にご相談下さい。
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文責・名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生