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糖尿病の自覚症状の解説 - 足のしびれや痩せてきたのは糖尿病の初期症状?

糖尿病の自覚症状の解説 - 足のしびれや痩せてきたのは糖尿病の初期症状?

公開日: 2020年7月15日

最終更新日: 2020年8月19日

 
糖尿病は、初期にはほとんど自覚症状を認めない病気です。
 
しかし、糖尿病を長年放置すると、身体全身のいたる所に重篤な合併症をきたします。
 
そのため、健康診断で早期発見に努めています。
 
糖尿病の自覚症状は、かなり悪く(=血糖値が非常に高く)ならないと、認めないことが一般的です。
 
糖尿病の自覚症状には、次のようなものがあります。

  • 尿の回数が多い。
  • のどが渇く。
  • ダイエットしていないのに痩せてきた。
  • いつも空腹感がある。
  • 疲れやすい。
  • 目がかすむ。
  • 手足がしびれる。
  • 肌が乾燥している。
  • 虫歯が多い、風邪をひきやすい、など、感染症にかかりやすい。
  • けがをした傷が治りにくい。

 
上記の自覚症状がある方は、早めに外来に受診しましょう。
 
 
 
糖尿病の自覚症状とは
 
 
 

 
 
 
 

糖尿病ってどんな病気?

 
糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンが足りなくなることで、血液中の糖分(=血糖値)が高くなる病気です。
 
血糖値が高い状態を、分かりやすく例えると、血管の中を甘い砂糖水が流れているようなものです。
 
血糖値が高い状態(=高血糖)が、長年続くと、血管のある場所、つまり、身体全身のいたる所が傷んでくるため、さまざまな症状が出現します。
 
インスリンには、身体の細胞にエネルギーである糖分を取り込ませる働き、脂肪を分解してエネルギーに変える働き、肝臓における糖分の産生を調整する働きなどがあります。
 
インスリンが枯渇すると、血糖値が健常者の数倍から10数倍以上に高くなり、重篤な状態になることがあります。
 
→ 糖尿病とはどんな病気? の記事
 
→ 健常者の血糖値の正常値 の記事

 
 
 
 

代表的な糖尿病のタイプ

 
糖尿病には、さまざまなタイプがあります。
 
大まかに分けると、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病が挙げられます。
 
日本人の糖尿病は、ほとんどが2型糖尿病です。
 
→ 糖尿病のタイプ ー 糖尿病の成因分類(1型・2型・妊娠)の記事
 
 

1型糖尿病

 
1型糖尿病は、小児期に発生することが多く、以前は、若年性糖尿病と呼ばれていた糖尿病です。
 
日本人の有病率は、約 0.09~0.11% (人口 10 万人あたり約 90~110 人)とされ、日本人の糖尿病患者の5%未満を占めます。
 
1型糖尿病は、本来は、ウイルスなどの外敵と戦っている免疫細胞が、自分の膵臓のβ細胞と呼ばれるインスリンを分泌する細胞を攻撃し壊してしまうことで発症します。
 
最終的には、インスリン分泌は、極度に低下したり、枯渇してしまい、インスリン注射による治療が必要になります。
 
若年時に発症した1型糖尿病と中高齢で発症した1型糖尿病では、糖尿病の病像が異なる場合があります。
 
→ 1型糖尿病の疫学 の記事
 
 

2型糖尿病

 
2型糖尿病は、日本人の糖尿病の90%以上を占めている最もポピュラーな糖尿病です。
 
2型糖尿病は、加齢に伴いインスリンの分泌が低下したり、肥満や運動不足等により、インスリンの効きが悪くなること(=インスリン抵抗性が高くなる)ことで発症します。
 
→ 糖尿病で血糖値が上がる理由 ー インスリンと高血糖 の記事
 
→ インスリン の解説記事
 
 

妊娠糖尿病

 
妊娠糖尿病(妊娠中の糖尿病)は、通常、妊娠中期に見られ、自覚症状はありません。
 
妊娠中は、定期的に糖尿病のスクリーニング検査を行っています。
 
→ 妊娠糖尿病の診断基準 の記事
 
 
 
 
1型糖尿病・2型糖尿病・妊娠糖尿病とは
 
 
 
 

糖尿病の自覚症状

 
2型糖尿病は、初期には、自覚症状はほとんど認めません。
 
しかし、糖尿病が悪化し、血糖値が高くなるにつれて、様々な自覚症状が出現します。
 
糖尿病の一般的な自覚症状は次の通りです。

  • 尿の回数が多い。
  • のどが渇く。
  • ダイエットしていないのに痩せてきた。
  • いつも空腹感がある。
  • 疲れやすい。
  • 目がかすむ。
  • 手足がしびれる。
  • 肌が乾燥している。
  • 虫歯が多い、風邪をひきやすい、など、感染症にかかりやすい。
  • けがをした傷が治りにくい。

 
 
 
 

尿の回数が多い。(頻尿・夜間尿)

のどが渇く。(口渇)

 
血糖値が著しく高くなると、尿に糖分が漏れてきます。
 
尿に糖分が漏れると、糖は水をひきつけるために、尿量が増えます。
 
尿量が増えると、トイレに行く回数が増えて、就寝時・夜間にもトイレに行くようになります。
 
尿が出過ぎると、脱水になるため、喉が渇くようになります。
 
夜間に何度もトイレに行くぐらい、尿量が増えている場合には、糖尿病がかなり悪くなり、血糖値は非常に高くなっています。
 
医療機関に受診できない場合には、尿試験紙でセルフチェックして、尿糖が下りていないかを調べる事もできます。
 
一回の尿量は少ないものの、トイレに頻回に行く場合は、男性であれば、前立腺肥大症、女性であれば、膀胱炎や過活動膀胱などの泌尿器系の病気が原因の場合もあります。
 
→ 尿糖とは 尿糖のメカニズムを含めた解説記事
 
 

ダイエットをしてないのに、痩せてきた。(体重減少)

 
インスリンが不足し、血糖値が非常に高くなると、尿に糖が多量に漏れるようになります。
 
また、インスリンは、身体の脂肪などにエネルギーを蓄えるのに必要です。
 
糖尿病がひどくなると、食事を食べているのに、どんどん痩せてきます。
 
糖尿病が原因で、体重が減る場合は、糖尿病が重症であり、血糖値が非常に高くなっています。
 
糖尿病以外の痩せてしまう他の原因には、次のものもあります。

  • 新陳代謝のホルモン(甲状腺ホルモン)に異常がある。
  • がん・悪性腫瘍・感染症などにより、エネルギーの消費が激しい。
  • 慢性の下痢など栄養の吸収不良がある。

 
糖尿病が原因で痩せる場合は、発熱、動悸などは伴いません。
 
 

いつも空腹感がある。

疲れやすい。(易疲労)

 
血糖コントロール不良の糖尿病患者は、インスリンが足りないために、ブドウ糖を身体の細胞に上手く取り込むことができません。
 
このエネルギー不足のために、血糖値は高いのにも関わらず、お腹が空き、疲れやすくなります。
 
どの程度まで血糖値が上昇すると、空腹感が出現するのかは分かっていません。
 
→ 糖尿病によるだるさ(疲労感・全身倦怠感)の詳しい解説
 
 

目がかすむ。

 
血糖値が高くなると、目の水晶体が腫れ、目がかすむことがあります。
 
視力の回復には、糖尿病の血糖管理が効果的です。
 
糖尿病の三大合併症には網膜症があります。
 
糖尿病網膜症では、視力の中心となる黄斑部に異常をきたすか、網膜症がかなり進行しない限り、視力は障害されません。
 
目のかすむ病気は、糖尿病以外にもたくさんあります。
 
眼科受診も考慮しましょう。
 
→ 糖尿病網膜症・糖尿病黄斑症 の記事
 
 

手足がしびれる。

 
糖尿病により、神経が障害され、手足がしびれることがあります。
 
糖尿病の神経障害による手足のしびれは、両側の足の裏・足先などの先の方から始まります。
 
糖尿病は、血糖値の高くなる病気であり、血液は左右対称に流れているため、しびれは、左右対称に出現します。
 
手足のしびれが、片側だけの場合、手のみの場合には、糖尿病が原因ではなく、首や腰の脊椎の障害等から症状がでている場合があります。
 
整形外科や神経内科への受診も考慮しましょう。
 
→ 糖尿病性神経障害 の記事
 
 

肌が乾燥している。

 
血糖値が非常に高くなると、身体から水分が引き出され、脱水となり、肌が乾燥してきます。
 
糖尿病によって皮膚の神経が故障すると、汗がかきにくくなり、皮膚が乾燥することがあります。
 
動脈硬化により、足の血流が悪くなると、足が乾燥する場合があります。
 
後者の2つは、糖尿病の初期症状というよりも、糖尿病の合併症がかなり進行した状態で認められます。
 
 

虫歯が多い、風邪をよくひくなど、感染症にかかりやすい。(易感染性)

 
糖尿病となり、血糖値が高いほど、感染症に弱くなります。
 
詳細は、次の記事を参照して下さい。
 
→ 糖尿病になると感染症になりやすい? の記事
 
→ 糖尿病だと歯が悪くなるって本当? - 糖尿病と歯周病 の記事
 
 

傷が治りにくい。(創傷治癒遅延)

 
糖尿病になると、傷が治るのに時間がかかるようになります。
 
感染症に脆弱になるため、傷口が化膿するなど、創部感染のリスクが高まります。
 
糖尿病により神経が激しく障害され、痛みを感じない場合や、動脈硬化のために創部の血流が悪い場合には、重症化したり、壊疽をきたすリスクが高まります。
 
→ 糖尿病の足病変 - 足病変の原因と壊疽・潰瘍予防のフットケア の記事
 
 
 
 

1型糖尿病の自覚症状

 
糖尿病の自覚症状は、インスリン不足による高血糖のために生じるため、1型糖尿病の自覚症状は、2型糖尿病とほぼ同じになります。
 
ただし、1型糖尿病は、2型糖尿病と比較して、インスリン分泌が低下するスピードが速く、数日~数週間のうちに、急激に血糖値が上昇し、未治療の場合は、糖尿病性ケトアシドーシスという重篤な状態をきたす場合があります。
 
糖尿病性ケトアシドーシスでは、悪心・嘔吐・腹痛・意識障害などの症状をきたします。
 
 
 
 
糖尿病について話し合う動物たち
 
 
 
 

糖尿病の人が、初めて受診するまでのよくある経過

 
糖尿病の人が、初めて当院外来に受診するまでの経緯としては、次の二つのパターンをよく見かけます。
 
 
(1)年を取るにつれて、HbA1cや血糖値が徐々に高くなり、健康診断で精査検査や治療が必要と言われたため、来院。
 
(2)健康診断で、HbA1cや血糖値が高いことを指摘されるも、自覚症状がなく、放置していた。
 
暴飲暴食や清涼飲料水や砂糖入りのコーヒーを多量に飲むなどの生活習慣を続けていたところ、急に痩せ始めて、日中だけでなく、寝ている時にも、トイレに頻繁に行くようになった。
 
数か月の間、様子を見るも改善しないため、糖尿病が心配になり、来院。

 
 
糖尿病を発症した初期の時点では自覚症状はほとんどありません。
 
ただし、軽症の糖尿病の方や糖尿病になりやすい方が、暴飲暴食したり、砂糖の大量に入った飲料水やコーヒーを多量に飲むと、血糖値が極めて高くなることがあります。
 
その結果、尿量が多くなり、体重も痩せてくるというわけです。
 
上記の症状が出現したら、なるべく早く外来に受診しましょう。
 
 
 
糖尿病の自覚症状についての解説は、以上になります。
 
もし、糖尿病のことでお困りなら、糖尿病の専門家にご相談頂けると幸いです。
 
 
 
「参考文献」
 
A. Ramachandran. Know the signs and symptoms of diabetes. Indian J Med Res. 2014
 
 
 
→ 「糖尿病内科 in 名古屋」のブログ記事一覧
 
 
 
関連記事
 
→ 糖尿病予防の解説 - 糖尿病になりやすい人・食事・運動・減量から薬物までのまとめ
 
隠れ糖尿病のセルフチェック - 予防・早期発見に必要な検査(血糖値・尿)などの項目を含めた解説
 
→ 糖尿病と下痢の関係とは?
 
糖尿病で起きる吐き気(悪心)の原因とは
 
 
 
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生
 

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