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糖尿病で血糖値が上がるわけ ー インスリンと高血糖の関係|名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院|名東区の糖尿病専門医

糖尿病で血糖値が上がるわけ ー インスリンと高血糖の関係

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糖尿病で血糖値が上がるわけ ー インスリンと高血糖の関係

公開日: 2019年9月27日

最終更新日: 2022年12月31日

糖尿病とインスリン
 
 
糖尿病は、血糖値が高くなり、長期的に高血糖が続くと、色々な臓器が傷む病気です。
 
では、糖尿病で、血糖値が高くなってしまうのは、なぜでしょうか?
 
ヒトの体には、ホメオスタシス(恒常性維持作用)があり、常に生体の内部環境は、一定の範囲内に保たれるようにできています。
 
血糖値もこのホメオスタシスにより、維持されています。
 
血糖値のホメオスタシスには、各ホルモンや交感・副交感神経などのさまざまなメカニズムが関与していますが、
 
最も重要な役割を果たしているのは、
インスリンです。

 
血糖値を上昇させるホルモンと血糖値を下げるホルモンが、
 
バランスをとることで、血糖値は、一定の範囲内にコントロールされています。
 
血糖値を上昇させるホルモンには、
 
成長ホルモン
副腎皮質ホルモン(コルチゾール)
副腎髄質ホルモン(カテコールアミン)
甲状腺ホルモン
グルカゴン など様々なものがあります。

 
その一方で、血糖値を下げるホルモンとしては、現時点では、インスリンしか発見されていません。
 
インスリンは、膵臓のランゲルハンス島のβ細胞から分泌されるホルモンです。
 
また、インスリンには、血糖を下げるだけでなく、脂肪合成、細胞増殖作用などの作用があります。
 
(これは、インスリンは、体に糖分(=栄養)を取り込ませ、余剰分を脂質として貯蓄し、成長を促すホルモンだからです。)
 
インスリンが、血糖を低下させる場合には、
 
① 体(主は肝臓)で作られる糖分(グルコース)の産生を抑える。
② 体(主は筋肉)に糖分を取り込ませる。
 
の二種類の方法で行っています。
 
インスリンが不足すると、肝臓で糖分を作り過ぎたり、食事の糖分を体に取り込めなくなり、高血糖をきたします。
 
次に、インスリンが不足するパターンには、
 
① インスリンの分泌が不足している場合
② インスリンは分泌されている場合
 
の2パターンがあります。
 
前者のインスリン分泌が不足している時には、
 
完全枯渇している
空腹時と食事の時に足りない
食事の時(=負荷がかかった時)だけ足りない 場合と
 
重症から軽症までの様々な場合があります。

 
インスリンの分泌が完全に枯渇してしまうと、血糖はどんどん上昇し、数百mg/dlまで達する生命に危険を及ぼす状態になります。
 
インスリンが空腹時に足りなくなると、空腹時の血糖値が上昇していきます。
 
インスリンが食事の時(負荷がかかる時)だけ足りないと、食後の血糖が上昇します。
 
(*糖尿病の精密検査の経口血糖負荷試験では、糖の負荷をかけて、インスリンの分泌の予備能も評価しています。)
 
次に、インスリンがどれだけ分泌されていても、インスリンの効きが悪くなると、血糖値が上昇します。
 
このインスリンの効きは、インスリン抵抗性と呼ばれています。
 
インスリンの効きが悪くなる状態には、
 
代表的なものとして、
 
① 体に糖分が入りづらく、糖分の材料がたくさんある状態(例:肥満) 
② 体が糖分を動員しようとしている状態
③ 炎症が強い状態(例:感染症、がん)
④ 血糖を上げるホルモンがたくさん出ている状態(例:不眠、ストレス)
 
などが挙げられます。

 
以上をまとめると、
 
糖尿病は、インスリンの作用不足により、高血糖をきたす疾患というわけです。
 
文責・名古屋市名東区の糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔
 
参考文献:Gisela W. Insulin and insulin resistance. Clin Biochem Rev. 2005
(1)(2)(3)(4)(5) 他
 
 
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