糖尿病は、高血糖が続くことで、全身の臓器が痛む怖い病気です。
代表的な糖尿病の合併症としては、糖尿病網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害、動脈硬化があります。
糖尿病性合併症の特徴として、病気のはじめには、自覚症状に乏しいことです。
自覚症状がないからと言って、放置すると、
糖尿病網膜症なら失明したり、
糖尿病腎症なら透析になったり、
糖尿病神経障害なら、痛みの感覚がなくなり、
気づかないうちに足を怪我してしまい、ひどい感染症をおこしたりします。
糖尿病の治療は、自覚症状が出現してからでは遅れがちになるため、
自覚症状が出現する前に、健康診断などでスクリーニングして、早期発見に努め、早期治療を推進しています。
糖尿病の治療の目標は、将来的に生じうる合併症を抑え、糖尿病のない人と同じ生活の質(QOL)を保つことです。
では、糖尿病はどうやって治療するのでしょうか?
糖尿病の治療をする上で最も重要なことは、どうして糖尿病になったのかをその経緯・理由を理解する事です。
例を挙げると、ある糖尿病の患者さんは、若い頃から食べ過ぎなどの食生活などの生活習慣の不摂生により体重が増えたことで、糖尿病を発症しました。
別の糖尿病の方では、両親が糖尿病で、本人は生活習慣に気を付けていたにも関わらず、年を取った結果、糖尿病を発症しました。
別の糖尿病の方では、アルコールの飲みすぎで膵臓が壊れて、糖尿病になりました。
別の方では、清涼飲料水(=濃い砂糖水)の飲みすぎで、糖尿病になってしまいした。
糖尿病を発症したのには、人それぞれの経緯と理由がありますので、そのことを理解する事が重要です。
なぜ大切かと言うと、糖尿病になった原因を治療せず、
糖尿病の治療だけをおこなっても臭いものに蓋をしているのと同じで、根本的な解決にはなりません。
もし、糖尿病が、他の病気や、薬物投与などの明らかな別の原因がある場合には、その原因を除くことで治る場合があります。
今回は、糖尿病を治療する理由と、糖尿病を治療する前に押さえておきたいことを説明しました。
皆さんもご自身が糖尿病を発症した理由には、注意を払いましょう。
文責・名古屋市名東区の糖尿病内科 アスクレピオス診療院 服部 泰輔
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