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甲状腺機能亢進症とは

甲状腺機能亢進症とは

公開日: 2020年7月1日

最終更新日: 2020年7月29日

 
甲状腺機能亢進症は、甲状腺が甲状腺ホルモンを過剰に産生している状態です。
 
甲状腺ホルモンは、新陳代謝を司るホルモンです。
 
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、体の代謝が亢進し、頻脈、血圧上昇、不整脈、過剰な発汗、神経質や不安、睡眠障害、体重減少などの自覚症状を認めます。

 
甲状腺機能亢進症をきたす原因としては、バセドウ病が最もよく認められます。
 
甲状腺機能亢進症の治療方法には、原疾患により異なりますが、いくつかの方法があります。
 
バセドウ病では、チアマゾール(商品名:メルカゾール)、プロピロチオウラシル(商品名:プロパジール)と呼ばれる甲状腺薬、放射性ヨウ素を使用して、甲状腺ホルモンの産生を抑制します。
 
甲状腺の全部、または、一部を切除する手術を行う場合があります。
 
 
 
甲状腺機能亢進症の図
 
 
 

 
 
 
 

甲状腺機能亢進症の自覚症状

 
甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、体のさまざまな臓器の代謝速度を調節しています。
 
甲状腺機能亢進症の症状は人によって異なりますが、次の症状を認めます。

  • 心拍数の増加(頻脈)
  • 不整脈による動悸
  • 大量の発汗・体のほてり
  • 手の振戦
  • 神経過敏・不安・気分のむら
  • 睡眠障害(不眠症)
  • 体重減少
  • 頻回の排便・下痢
  • 倦怠感・だるさ
  • 筋力低下
  • 骨粗鬆症
  • 月経周期の変化・不妊症(女性)
  • 早産、低出生体重児、妊娠中の高血圧、流産などの妊娠中の合併症

 
高齢者の甲状腺機能亢進症は、若年者とは症状が異なる場合があります。
 
高齢者で最もよく認められる症状は、体重減少と疲労です。また、不整脈や心不全、便秘などの症状も比較的よく認められます。
 
60歳以上の高齢者では、これらの症状を認めず、錯乱、引きこもり、抑うつなどの無欲性甲状腺機能亢進症、または、潜在性甲状腺機能亢進症をきたす場合があり、うつ病や認知症と間違われることがあります。
 
甲状腺機能亢進症の身体的な特徴として、甲状腺機能亢進症では、甲状腺の腫大を認めることが多く、甲状腺機能亢進症の原因によって、甲状腺全体が腫脹したり、甲状腺ホルモンを分泌する結節ができたります。
 
甲状腺の腫大によって、頚部を走行する気管や食道が圧迫され、呼吸や嚥下に問題を生じる場合があります。
 
亜急性甲状腺炎では、甲状腺に圧痛や自発痛が生じます。
 
バセドウ病の場合には、甲状腺を刺激する自己抗体によって、眼窩後方の組織が肥大し、バセドウ眼症と呼ばれる眼病をきたすことがあります。
 
目が前方に突出するため、複視、光過敏、目の痛みをきたす可能性があります。
 
 
 
 

甲状腺機能亢進症の原因

 
甲状腺機能亢進症の原因にはいくつかの疾患が含まれます。
 
 

バセドウ病

 
バセドウ病では、甲状腺に対する免疫異常により、甲状腺に対する自己抗体が産生されます。
 
バセドウ病は、その自己抗体によって甲状腺が刺激されることで、甲状腺から過剰なホルモンが分泌される自己免疫疾患です。
 
→ バセドウ病の解説
 
 

プランマー病

 
甲状腺にできる結節は多くは良性です。
 
しかし、時々、甲状腺ホルモンを自律的に分泌する結節ができることがあり、プランマー病と呼ばれます。
 
プランマー病は、別名、

  • 自律機能性甲状腺結節 Autonomously functioning thyroid nodule(AFTN)、
  • 過機能性甲状腺結節(単発)Hyperfunctioning thyroid nodule
  • 中毒性多結節性甲状腺腫(多発)Toxic multinodular goiter(TMNG)

 
と呼ばれることがあります。
 
 

甲状腺炎

 
甲状腺にウイルスや細菌が感染すると、甲状腺の組織が壊されて、保存されていた甲状腺ホルモンが血液中に漏出します。
 
亜急性甲状腺炎、無痛性甲状腺炎、化膿性甲状腺炎などさまざまな病気があります。
 
→ 無痛性甲状腺炎の解説
 
 

ヨウ素の過剰摂取

 
ヨウ素は、海藻、一部の医薬品(アミオダロン、インターフェロンα、リチウム)、ヨウ素を含有する造影剤などに含まれています。
 
過剰に摂取すると、甲状腺が甲状腺ホルモンを過剰に分泌することがあります。
 
 

甲状腺ホルモン薬(例:チラーヂンS)の過剰摂取

 
甲状腺ホルモンの薬を多量に内服すると、甲状腺機能亢進症の症状をきたすことがあります。
 
 

下垂体からの甲状腺刺激ホルモンの分泌亢進

 
下垂体からは、甲状腺からの甲状腺ホルモン分泌を促す、甲状腺刺激ホルモンが分泌されています。
 
下垂体腫瘍等により、甲状腺刺激ホルモンが過剰に分泌されると、まれに、甲状腺機能亢進症をきたす場合があります。
 
 
 
 

甲状腺機能亢進のリスクが高い人とは

 
甲状腺機能亢進症にはさまざまな疾患が含まれていますが、一般的に、リスクが高い人は、次の方です。

  • 女性
  • 甲状腺疾患の家族歴がある人
  • 甲状腺手術、または、甲状腺腫などの甲状腺の問題がある人
  • 過去6か月以内に妊娠、もしくは、出産歴がある。
  • 1型糖尿病、原発性副腎不全などの内分泌系の自己免疫疾患のある人

 
 
 
 

甲状腺機能亢進症の診断

 
甲状腺機能亢進症を診断する場合には次の検査を行います。

  • 病歴の聴取、身体所見の診察
  • 血液検査(TSH。FT3、FT4、甲状腺の自己抗体 他)
  • 甲状腺の超音波検査
  • 甲状腺シンチグラフィー(放射性ヨウ素、99mTcの甲状腺への取り込み評価)

 
 
 
 

甲状腺機能亢進症の治療

 
甲状腺機能亢進症の治療は、甲状腺ホルモンの作用を減弱する対症療法と、甲状腺ホルモンが過剰分泌されている原因の治療に分けられます。
 
甲状腺ホルモンの作用を減弱するための対症療法としては、βブロッカーが使用されます。
 
βブロッカーには、半減期が短く1日3回内服するプロプラノロール塩酸塩(先発品:インデラル)と、長時間作用型の1日1回内服するビソプロロールフマル酸塩錠(先発品:メインテート)等が用いられます。
 
原因治療は、甲状腺機能亢進症の原因により異なります。
 
頻度の最も多いバセドウ病では、抗甲状腺薬(チアマゾール(商品名:メルカゾール)、プロピロチオウラシル(商品名:プロパジール))、放射線ヨウ素内用、甲状腺の全切除、一部切除などを行います。
 
 
 
 
以上が、甲状腺機能亢進症の解説になります。参考になりましたか?
 
健康のことでお困りのことがあれば、ご相談下さい。
 
 
 
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生
 

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