アスクレピオス診療院のWeb予約
WEB予約 電話

血圧が高いとどうなる? – 高血圧と死亡リスクの関係|名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院|名東区の糖尿病専門医

血圧が高いとどうなる? – 高血圧と死亡リスクの関係

血圧が高いとどうなる? – 高血圧と死亡リスクの関係|名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院|名東区の糖尿病専門医

血圧が高いとどうなる? – 高血圧と死亡リスクの関係

公開日: 2021年10月10日

最終更新日: 2021年10月14日

 
高血圧は、長期間にわたり、血管(主として動脈)の壁に高い圧力がかかり続けることで、さまざまな合併症をきたす病気です。
 
→ 高血圧の合併症の解説記事 
 
高血圧は、日本人で最も多い慢性疾患の一つであり、日本人の高血圧患者の推計数は、約4300万人と推定されており、日本人の3人に1人が高血圧を患っている計算になります。
 
高血圧のある人の割合を年齢別に見た場合には、40歳‐70歳の人では、男性60%、女性41%となり、75歳以上の人では、男性 74%、女性77%となっています。(2016年度 国民健康・栄養調査より)。
 
高血圧は、高齢になるほど、多くなる病気です。
 
高血圧の管理は、国民健康上の重要な課題であり、常日頃から、減塩や定期的な運動などの生活習慣の改善による予防運動が行われています。
 
ここで疑問ですが、高血圧を放置すると、一体、どのくらいの病気や死亡するリスクが高まるのでしょうか?
 
今回は、高血圧と死亡率や合併症の関係について解説します。
 
 
高血圧と死亡リスク
 
 
高血圧の代表的な合併症としては、脳の血管が詰まったり、破れたりする脳卒中、心臓を栄養する血管が狭くなったり、詰まることでおきる狭心症や心筋梗塞などが挙げられます。
 
これらの脳や心臓の合併症は、生命に直結することのある怖い病気です。
 
では、血圧が高いと、どの程度、これらの合併症によって死亡するリスクが上がるのでしょうか?
 
下の図は、日本人計7万人を対象として、血圧と脳や心臓の血管死のリスクを調査した研究の結果です。
 

血圧レベル別の脳心血管病死亡ハザード比と集団寄与危険割合の図

左 :中壮年者(40‐64歳)
中央:前期高齢者(65歳‐74歳)
右 :後期高齢者(75歳‐89歳)


 
中壮年から前期高齢者にかけては、最も脳や心臓の血管の病気による死亡リスクが低かったのは、120/80 mmHg未満の血圧の人でした。
 
血圧が上がるにつれて、死亡リスクは上昇しています。
 
中壮年者(40歳~64歳)では、血圧が120/80 mmHg未満の人と比べて、血圧が 180/110mmHg以上の人の死亡リスクは、約10倍の上昇を認めました。
 
一方、高齢者では、130/85 mmHg以上になると、徐々に死亡リスクは増加し、血圧上昇に伴う死亡リスクは、若い人と比較しても緩徐でした。
 
75歳までの中壮年期ー前期高齢者の人では、血圧が 120/80 ㎜Hgを超えると、脳心血管死の死亡リスクが血圧が上がるにつれて上昇します。
 
75歳以上の後期高齢者では、血圧が 130/85 mmHgを超えると、徐々に死亡リスクが上昇しますが、リスク上昇の程度は緩徐です。

 
ただし、後期高齢者の血圧管理をしなくても良いというわけではないことに注意が必要です。
 
後期高齢者は、血圧が高いことによる死ぬリスクは低くても、血圧が高いほど、脳出血が生じやすくなったり、認知症(特に脳の血管が壊れて生じる血管性認知症)になりやすくなったり、ADL(日常生活の動作がどの程度できるかの指標)が低下しやすくなるため、血圧の管理は必要です。
 
超高齢者では、起立時に血圧が下がりやすく、ふらつき・転倒を引き起こすこともあるため、血圧の下げ過ぎには注意した方がよいでしょうね。
 
 
 
以上です。
 
アスクレピオス診療院では、糖尿病や高血圧の生活習慣病の専門家が治療に当たっています。
 
高血圧のことでお困りなら、当院にご相談ください。
 
 
 
参考文献
Akira Fujiyoshi et al. Blood pressure categories and long-term risk of cardiovascular disease according to age group in Japanese men and women Hypertens Res
. 2012
 他 
 
 
 
糖尿病内科 アスクレピオス診療院(名古屋名東区)のホームはこちら
 
 
 
→ 「糖尿病内科 in 名古屋」のブログ記事一覧
 
 
 
関連記事
 
高血圧の原因とは
 
高血圧の食事療法
 
正しい血圧測定の方法の解説 - 家庭で血圧を測定する際の注意点とは
 
糖尿病の合併症と高血圧
 
緑茶による高血圧の改善効果とは
 
 
 
名古屋糖尿病内科の予約バナー

当院へのご予約はこちら。画像をクリック


 
文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生
 

カテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ