のどの痛みは、内科、耳鼻科どっちに受診すべき?
のどの痛みは、内科、耳鼻科どっちに受診すべき?
公開日: 2019年12月1日
最終更新日: 2019年12月2日
のどの痛み(咽頭痛)は、誰しもが経験する症状です。
のどに痛みがある時には、内科、耳鼻科のどちらに最初に受診すべきでしょうか?
答えとしては、特に大きな問題がなければ、最初は、内科受診が勧められます。
のどの痛みの原因のほとんどは、のどの感染症(ウイルス・細菌)、いわゆる、かぜです。
しかし、のどの痛みには、咳や痰などの他の症状を伴うことも多く、肺炎や心筋梗塞などの重篤な疾患の場合があります。
内科のメリットは、のど以外の全身の状態を評価できることです。
そのため、全身の状態や内科疾患の評価が必要な方は、内科受診を強く推奨します。
耳鼻科のメリットは、咽頭部から喉頭部、声帯までの観察・治療が可能な点です。
そのため、内科で対応困難な方は、耳鼻科受診を推奨します。
初回受診で診断がつかない場合には、他科を紹介することになります。
参考にしていただけると幸いです。
目次
初めに、のどの痛みをきたす病気にはいったい何があるのでしょうか?
喉の痛みをきたす病気一覧は次のものがあります。
一般成人では、のどの痛みの原因のほとんどは、ウイルス性や細菌性による急性咽頭炎などの感染症になります。
のどの痛みには、他の症状を伴うことも良く認められます。
のどの痛みに加えて、発熱、咳、痰を認める方では、肺炎をきたしている方もいます。
内科と耳鼻科の最大の違いは、診察する範囲です。
内科は、のど以外の全身の診察を行います。
のどの痛みで受診された場合には、体温測定、のどの観察、頚部のリンパ節の腫れの確認、胸部・背部の聴診を行います。
その他の内科の病気(肺炎・心不全など)の可能性があれば、腹部の触診・聴診や、足のむくみの有無などの診察を追加していきます。
耳鼻科は、体温測定、咽頭から喉頭部の診察を行いますが、胸部の聴診までを毎回行う先生は、少ない気がします。
その他の内科疾患の有無を同時に評価している先生はいるのかは分かりません。
内科は耳鼻科と比べて、全身を評価して、診察します。
そのため、糖尿病、がんなどの持病がある人や、咽頭痛以外の症状がある場合には、内科に受診すべきでしょう。
咳や痰がある人では、肺炎の可能性があり、胸部聴診が必要です。
内科受診が推奨される人は次の通りです。
内科医をしていると分かりますが、咽頭痛の人で困るのは、嗄声(しわがれた声)を伴う人です。
内科では、喉頭から声帯部は、診察することができません。
多くの場合は、感染症のため、感染症の軽快と共に改善しますが、しっかりと見てもらいたい人は、耳鼻科に受診された方が良いでしょう。
以下の方は、耳鼻科受診をお勧めします。
以上が、のどの痛みで最初に受診すべき科の解説になります。
上記は、個人的な意見です。
のどが痛いなと思ったら、とりあえず、内科に受診しておけば、大きな問題はないでしょう。
参考文献:
内藤 健晴 耳鼻咽喉科領域の痛みを考える ―咽喉頭領域の痛み― 日本耳鼻咽喉科学会会報 2014年 117巻 11号 p. 1317-1320
Graham Worrall Acute sore throat Can Fam Physician. 2011 Jul; 57(7): 791–794.
Graham J. Worrall Acute sore throat Can Fam Physician. 2007 Nov; 53(11): 1961–1962.
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生