糖尿病とインフルエンザ
糖尿病とインフルエンザ
公開日: 2019年5月1日
最終更新日: 2022年12月31日
本日は、糖尿病とインフルエンザについて解説します。
糖尿病を患っている方は、さまざまな感染症に脆弱になる事が知られており、インフルエンザも例外ではありません。
(注:本文中のインフルエンザは、インフルエンザウイルスを指します。細菌のインフルエンザ菌ではありません。)
また、インフルエンザは、糖尿病以外の喘息、心臓病などの特定の基礎疾患のある方では重症化しやすく、深刻な合併症をきたす可能性が高くなることが知られています。
インフルエンザは、鼻、咽頭、時に肺に感染するインフルエンザウイルスによって引き起こされる伝染性の呼吸器疾患です。
主に冬季に世界中で発生と流行を繰り返しています。
ヒトに感染するインフルエンザには、A型、B型、C型がありますが、症状が強く問題となるのは、A型、B型です。
まれですが、インフルエンザは1シーズンに1回だけではなく、A型とB型の両方にかかることがあります。
インフルエンザの症状としては、発熱、咳、関節痛、筋肉痛、頭痛などを認めます。
インフルエンザに感染すると、様々な合併症をきたすことが報告されています。
インフルエンザで最も多い合併症は、肺炎です。
その他の合併症としては
など、様々な合併症をきたすことが報告されています。
糖尿病のある方は、糖尿病のない人と比較し、免疫力が低下しているため、インフルエンザに罹患した場合に重篤な合併症をきたしやすくなります。
一般的に、血糖コントロールが悪いほど、糖尿病による免疫力の低下は顕著になります。
インフルエンザに罹患したときは、様々なホルモンの働きにより、血糖値が上がりやすくなったり、逆に、食事が食べれなくなり、低血糖をきたすなど、血糖コントロールが乱れやすくなります。
糖尿病のある方は、感染症のときに、食事や内服薬、インスリン注射などをどうすればよいのか、シックデイの対応を読んでおきましょう。
→ 糖尿病のシックデイ(病気の日)の対応はこちら
インフルエンザの予防として最も重要なのは、インフルエンザワクチンの予防接種です。
ワクチン接種の効果は、約2週間後に始まります。
インフルエンザの予防接種をすることで、インフルエンザにかかりにくくなり、インフルエンザの重症化するリスクを低減する事ができます。
糖尿病をお持ちの方は、インフルエンザの予防接種を毎年受けるようにしましょう。
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文責・名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生