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HbA1cの歴史|名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院|名東区の糖尿病専門医

HbA1cの歴史

HbA1cの歴史|名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院|名東区の糖尿病専門医

HbA1cの歴史

公開日: 2019年10月1日

最終更新日: 2021年9月22日

 
名古屋市名東区の糖尿病内科クリニックの院長の服部です。
 
今回は、少し気になって、HbA1cの歴史を調べてみました。
 
 
HbA1cの歴史
 
 
HbA1cは、過去2カ月から3か月の平均血糖値を反映するマーカーで、糖尿病の血糖管理の指標として用いられています。
 
HbA1cは、1958年にHuismanらによって初めて分離されたようです。
 
1959年に、Schroederらh、イオン交換クロマトグラフィーを用いて、正常人の溶血液中のヘモグロビンを解析し、カラムから溶出される順に、A1a、A1b、A1c、A1d、A1e、AⅡ、AⅢa、AⅢbと命名したようです。
 
1968年にBookchinとGallpらにより、HbA1cは糖タンパク質として同定されました。
 
1969年に、糖尿病の患者さんで、HbA1cが上昇することが報告されたようです。
 
液体クロマトグラフィー(HPLC)は使用したことがあるのですが、昔のクロマトグラフィーの性能は今より格段に劣っており、大変な作業だったのでしょうね。
 
1975年には、HbA1cがどのようにしてできるのかが、Bunnnetらにより、提唱されました。
 
HbA1cは、赤血球中のヘモグロビンに糖が結合したもので、蛋白質は、頻繁に糖化されます。
 
1976年には、HbA1cの糖尿病患者の血糖管理の指標としての利用が、Koenigらに提唱されました。
 
その後、HbA1cと平均血糖値との関係が調べられたり、糖尿病の合併症(糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、大血管障害)などとの関係が調査されていきました。
 
HbA1cの有用性が証明されるにつれて、HbA1cの測定方法や基準が各国でばらばらだと、臨床試験等で比較する際に不便なこともあり、国際標準化(NGSP値)が勧められていくようです。
 
普段、何気なく、糖尿病の血糖管理に用いているHbA1cにも長い歴史があるのですね。
 
 
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参考文献
 
Shariq I. Sherwani, Haseeb A. Khan, Aishah Ekhzaimy, Afshan Masood, and Meena K. Sakharkar Significance of HbA1c Test in Diagnosis and Prognosis of Diabetic Patients Biomark Insights. 2016
 
武井 泉 HbA1cの国際標準化について モダンメディア 62
巻10号2016「グローバル化時代の医療・検査事情」

 
 
 
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生
 

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