糖尿病と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最新情報
糖尿病と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の最新情報
公開日: 2020年4月16日
最終更新日: 2020年12月28日
糖尿病の人は、糖尿病のない人と比べ、多くの感染症に対して、脆弱になることが知られています。
糖尿病の人は、新型コロナウイルスに感染した場合には、より重篤な合併症を発症しやすくなります。
中国の新型コロナウイルス感染者のデータでは、死亡率が、全体では2.3%であったのに対して、糖尿病の人では、約7.3%と報告されています。(血糖コントロールの状況や治療内容は不明ですが。)
糖尿病をお持ちの方は、手洗いや社会的距離を保つなどの一般的な感染予防対策をしっかり行い、バランスの良い食事をとり、良好な血糖コントロールを保ち、免疫力を高めるようにしましょう。
目次
新型コロナウイルス(COVID-19)は、すべての年齢層の人々が感染する可能性があります。
新型コロナウイルス感染症にかかると、発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、筋肉痛と言ったインフルエンザのような症状をきたします。
これらの症状は、ウイルスに暴露された後、3日から7日以内に認めますが、最大14日以上、時間が経過した後で、出現する場合があります。
ウイルスに感染しても、多くの人(約80%以上)では、新型コロナウイルス感染症の症状は、軽度で、インフルエンザのような症状を多少認める程度です。
ただし、15%の症例では、重症化し、約5%の人では、生命に危険を及ぼしうる事があります。
しかし、感染した人々の大多数(約98%)の人は、生存しています。
新型コロナウイルスは、他の呼吸器感染症と同じく、感染した人が話したり、くしゃみをしたり、咳をしたりすると、唾が飛散したりするなどして、感染が広がります。
ウイルスは、付着する場所・物質や、環境にもよりますが、数時間から数日まで生存することが可能です。
ウイルス感染を避けるために、感染した人との密接な接触を避け、人との社会的な距離を保つ、手洗いなどの基本的な感染対策を行いましょう。
[感染予防対策の一覧]
糖尿病の人が、一般の人よりも新型コロナウイルスに感染しやすいのかを示す十分なデータはありません。
糖尿病の人は、糖尿病でない人に比べ、新型コロナウイルスに感染した場合に、深刻な合併症をきたす可能性が高くなります。
(72314人の感染者のデータをまとめた中国疾病予防管理センターのレポートでは、死亡率が、全体では2.3%であった一方で、糖尿病の人では、7.3%でした。糖尿病を患っていると、死亡率は約3倍になります。)
糖尿病の人が重症化しやすくなる原因としては、
など様々な理由が考えられます。
糖尿病だからと言って、必ず重症化するわけではないことに注意が必要です。
→ 糖尿病になると感染症になりやすい - HbA1cと感染症リスクの関係を含めた解説
糖尿病の人は、先ほど述べた一般的な感染対策に加えて、免疫力を強化するために、バランスの取れた食生活を心がけ、血糖値を安定させましょう。
→ 糖尿病食事療法 – 献立・レシピ等の食事内容で気をつけること
→ 糖尿病の食事の食べ方 ー 肥満・食後高血糖・血糖スパイクを抑える方法
→ 糖尿病食事療法 ー カロリー計算・食品交換表と単位とは?
新型コロナウイルスに感染した場合に、1型糖尿病と2型糖尿病の人の間で、重篤化するリスクが異なるかどうかは分かっていません。
どちらの糖尿病の人でも、人により、年齢、合併症の状態、血糖コントロールの程度は様々であり、一概には言えません。
参考サイト
American Diabetes Assocation Diabetes and Coronavirus
The Centre for Evidence-Based Medicine develops, promotes and disseminates better evidence for healthcare. Diabetes and risks from COVID-19
International Diabetes Foundation. COVID-19 and diabetes
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生