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正しい血圧測定の方法の解説 - 家庭で血圧を測定する際の注意点とは

正しい血圧測定の方法の解説 - 家庭で血圧を測定する際の注意点とは

公開日: 2020年7月28日

最終更新日: 2020年7月28日

 
血圧測定法には、診察室血圧、家庭血圧、24時間自由行動下血圧の三つがあります。
 
家庭で測定した血圧は、家庭血圧と呼ばれます。
 
自動血圧計は、カフ式・上腕式のものが推奨されます。
 
血圧測定は、日内変動があるため、朝・就寝前の1日2回行います。
 
血圧は変動しやすいため、暖かい部屋で、薬の内服前に、1~2分の安静後に、測定しましょう。
 
自宅で測定した血圧が、135mmHg/85mmHgを超えると、高血圧です。
 
高血圧は、ほとんど自覚症状がありませんが、放置すると、動脈硬化をひきおこし、脳梗塞や心筋梗塞などの重大な病気をきたします。
 
血圧をどの程度まで下げた方が良いのかは、年齢や持病によって変わります。
 
血圧の管理目標は、先生と相談しましょう。
 
 
 
 
家庭血圧と糖尿病
 
 
 
 

 
 
 
 

いろいろな血圧測定法とその特徴

 
血圧は、同じ人でも、寒かったり、動いたり、精神的に緊張したりすることで、容易に変動します。
 
激しく運動した後や、緊張しているときには、心臓がドキドキと強く脈打っていませんか?
 
高血圧の血圧管理を正しく行うには、最初に、正しい血圧測定方法を習得する必要があります。
 
血圧測定の方法には、

  • 診察室血圧測定
  • 家庭血圧測定
  • 24時間自由行動下血圧測定

 
以上の三つの方法があります。
 
 

診察室血圧

 
診察室で測定した血圧は、診察室血圧と呼ばれます。
 
診察室での血圧測定は、昔から行われている方法です。
 
血圧測定は、医療従事者による聴診、または、自動血圧計により行われます。
 
前者の聴診法は、聴診者の技量や聴力の影響があり、精度を保てない場合があるため、海外の一部の国では、自動血圧計での測定が推奨されています。
 
診察室血圧測定の欠点は、次の3点です。

  • 外来受診時の血圧しか分からない点
  • 測定する度に数字が変動する(再現性に乏しい)点
  • 外来で測定すると、血圧が高くなったり、低くなったりする人がいる点

 
診察室の外(例:自宅)では、血圧が正常でも、診察室だと血圧が高くなる人は、白衣高血圧と呼ばれます。
 
この白衣高血圧は、診察室で高血圧と診断された方の15%~30%の人に認められます。
 
逆に、診察室では血圧が正常でも、診察室外(例:自宅)だと、血圧が高くなる方は、仮面高血圧と呼ばれます。
 
この仮面高血圧は、診察室では血圧が正常範囲だった方の10%~15%の人に認められます。
 
 
以上をまとめると、
 
診察室血圧は、本来の血圧よりも、血圧が高くなったり、低くなったりする人が結構います。
 
高血圧の診断や血圧を管理する際には、精度を欠く場合があります。
 
 

家庭血圧

 
家庭血圧は、その名の通り、家庭で測定する血圧です。
 
家庭血圧測定には、次のメリットがあります。

  • 一日の中で好きな時間帯の血圧(例:朝)を測定できる。
  • 診察室では血圧が上下してしまう人の本来の血圧を知る事ができる。
  • 長期にわたり、日々の血圧を測定できる。

 
簡単にまとめると、慣れた場所で、日々の血圧を知る事ができるという事ですね。
 
 

24時間自由行動下血圧

 
24時間自由行動下血圧は、小型自動血圧計を用いて、24時間にわたり、15分~30分間隔で測定した血圧です。
 
24時間にわたる血圧の状況を把握することができます。
 
血圧には日内変動があり、起床時などの覚醒時に高くなり、睡眠時には低くなります。
 
24時間血圧測定は、白衣高血圧が疑われる例、コントロール不良の高血圧、治療しても血圧が下がらない高血圧などの診断に用います。
 
日によって体調が変わるように、血圧も変動するため、24時間血圧測定を1度行っただけでは、個人の血圧情報を正確に把握することは困難です。
 

24時間自動血圧計

24時間自動血圧計
小型の血圧計を携帯し、腕にカフを巻き、24時間にわたり血圧を測定します。


株式会社エー・アンド・デイ ホームページより引用
 
 
 
 

正しく家庭で血圧を測定する方法

 
血圧は、些細な刺激で上下するため、血圧測定する際には、さまざま点に注意する必要があります。
 
 

血圧計は、カフ式の上腕式血圧計を使いましょう。

 
家庭用の自動血圧計には、さまざまなタイプが売られています。

  • 上腕式血圧計
  •  カフ(腕帯)を自分で上腕部に巻くタイプ(「腕帯巻きつけ型」)
  •  血圧計本体と一体化している筒型のカフに腕を通して測定するタイプ(「全自動型」)
  • 手首式血圧計
  • 指式血圧計

 
さまざまな測定方法の自動血圧計が販売されていますが、家庭での血圧測定には、カフ式の上腕式血圧計が推奨されています。
 
その理由は、手首式血圧計や指式血圧計は、血圧を正しく測れない場合があるからです。
 
手首血圧計は、装置が小型な点がメリットである一方で、手首の動脈を圧迫することで、血圧を測定しており、手首の構造上の問題から、血圧を正確に測定できない場合があります。
 
 

自動血圧計の使い方

 
カフ式の上腕式の自動血圧計で血圧を測定する場合には、次の点に注意して下さい。

  • 血圧計のカフは、素肌か薄手の肌着の上にぴったりと巻く
  • エアチューブを手のひら側にして、腕の中心にくるように位置を調整する。
  • カフがひじの関節部にかからないように、ひじの内側のくぼみから1~2cm上に巻きます。
  • カフの中心が心臓の高さになるように巻く。
  • 腕の力を抜く。
  • 両足は組まずに、足を床に付ける。
  • 背もたれにもたれて、リラックスする。

 
以上です。
 
(メーカーごとに異なる場合があるため、各メーカーの取り扱い説明書を参照して下さい。)
 
自動血圧計は、腕に巻いたカフが、圧力センサーとなり、上腕の動脈の拍動を感知することで、血圧を測定しています。
 
そのため、服の生地が分厚いと、拍動をうまく感知できなくなります。
 
また、カフの中心が、心臓の高さよりずれると、血圧が上下します。
 
身体に力を入れると、血圧が上がる場合がありますので、測定時は、リラックスしましょう。
 

 
→ オムロン 上腕式血圧計(フィットカフタイプ)の正しい使い方より引用
 
 
 
自動血圧計についても、注意点はほぼ一緒です。
 
血圧計のカフが、心臓の高さに来るように合わせ、リラックスできる体制で測定しましょう。
 

 
→ オムロン 上腕式血圧計(全自動<腕を通す>タイプ)の正しい使い方より引用
 
 

血圧は、起床時・就寝前に1日2回測定しよう。

 
血圧を1日何回も測定してみると分かりますが、血圧には日内変動があります。
 
健常者では、血圧は、早朝からの覚醒時に高くなり、夜・就寝時になると、低くなることが知られています。
 
日内変動を知る目的で、血圧は、朝(起床後1時間以内)・晩(就寝前)の1日2回のタイミングで測定します。

  • 朝:起床後1時間以内
  • 晩:就寝前

 
上記に加えて、病状によっては、医師の指示により、夕食前、夕の内服前、入浴前、飲酒前等にも測定することがあります。
 
 

血圧測定時は刺激を避けよう(暖かい部屋・薬内服前・1-2分間の安静後に)

 
また、血圧は、さまざまな刺激の影響を受けることが知られています。
 
血圧測定は、下記のタイミングで測定しましょう。

  • 温暖な部屋
  • 座位で1-2分間、安静にした後
  • 排尿後
  • 薬の内服前

 
部屋があまりに寒いと、それだけで、血圧は上がってしまいます。
 
また、運動したり、家事をしたり、緊張している時にも、血圧が高くなる事があります。
 
降圧薬を飲むと、薬の作用で血圧が下がりますが、薬が効いている時間や薬が効き始める時間は、薬によってバラバラです。
 
効き目が早い薬だと、薬の内服直後は、血圧が下がっているものの、他の時間帯では血圧が高くなることもあります。
 
血圧測定は、薬の内服前に測定するようにしましょう。
 
 

血圧は、一度に何回測定すべき?

 
当院では、血圧は、1度の機会に2回測定し、血圧手帳に記入する血圧は、2回目の血圧を記入する事を推奨しています。
 
血圧測定は、測定回数を増やすほど精度は上昇しますが、家庭血圧は、毎日測定することが多く、何度も測定するのは面倒です。
 
家庭血圧の基準値となった多くの臨床研究では、1度に1回の血圧測定した際の平均値を参考にしています。
 
加えて、1機械1回測定した場合の血圧の平均値と複数回測定した場合の血圧の平均値の差がわずかしかない事が報告されています。(1)
 
日常生活で家庭血圧を測定する場合には、臨床研究のときとは異なり、安静になる前に測定してしまう人もいるため、当院では、血圧の値は、1回目ではなく、2回目の血圧の測定値を用いています。
 
(*注 高血圧治療ガイドライン2019では、血圧測定は、1機会に原則2回測定し、その平均をとる事になっていますが、個人的に採用していません。)
 
 
 
 

家庭血圧が135/85mmHgを超えると、高血圧です。

 
家庭血圧の高血圧の基準値は、診察室で測定した血圧よりも、若干低めに設定されています。
 
高血圧の基準値(収縮期血圧/拡張期血圧)

  • 診察室血圧 140 mmHg / 90 mmHg 以上
  • 家庭血圧  135 mmHg / 85 mmHg 以上

 
*収縮期血圧・拡張期血圧のどちらか一方、もしくは、両方が高い場合は高血圧と診断されます。
 
高血圧を治療する場合の血圧の管理目標は、年齢、持病などによって変わります。
 
どの程度、血圧を下げるべきかは、主治医の先生と相談しましょう。
 
 
 
 
「参考文献」
 
高血圧治療ガイドライン2019 日本高血圧学会 他
 
 
 
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生
 

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