血圧を下げるとどうなる？ ー 高血圧を改善すると得られる予防効果とは
血圧を下げるとどうなる？ ー 高血圧を改善すると得られる予防効果とは
公開日: 2021年10月12日
最終更新日: 2022年12月28日
高血圧の患者数は、国内に約4300万人おり、日本人の3人に1人が罹患している国民病です。
高血圧を治療せずに放置すると、血管の壁に高い圧力がかかり続けることで、全身の血管が痛み、さまざまな合併症をきたします。
今回は、高血圧を改善すると、どの程度、高血圧の合併症の予防効果があるかについて解説します。
高血圧は、治療せずに長期間にわたり放置すると、全身の血管が障害され、さまざまな合併症をきたします。
高血圧の合併症としては、脳卒中や心筋梗塞などの脳や心臓の血管病が代表的です。
→ 高血圧の合併症の解説
高血圧の治療の目的は、高血圧の合併症である脳や心臓などの血管病が発症するのを防ぎ、それらの合併症が悪化したり、再発したりするのを防止することです。
脳卒中や心筋梗塞などの合併症を一度発症してしまうと、麻痺が生じたり、心臓の機能が低下したりすることで、QOLが損なわれ、自立した日常生活が営めなくなる場合があります。
（QOLとは、Quality of life（クオリティ オブ ライフ）のことであり、直訳すると、「生活の質」「生命の質」になります。）
高血圧の治療する前に高血圧の治療効果を把握しておきたいですよね。
降圧薬を投薬して血圧を下げた研究をまとめて解析（メタ解析）した結果によると、収縮期血圧を10mmHg、または、拡張期血圧を5mmHg下げることによって、高血圧による心臓や血管の合併症は、約20％減少し、すべての原因による死亡リスクは10‐15％減少すると報告されています。
その他の病気については、次の通りです。
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＊冠動脈疾患とは、狭心症や心筋梗塞などの心臓を栄養する血管が障害されておこる病気です。
降圧薬治療によって、血圧を下げた際の脳や心臓の病気に対する予防効果は、原則として、年齢、性別、他の病気の有無の影響を受けないとされています。
高齢者、糖尿病のある人、高脂血症のある人などは、高血圧しか病気のない人と比べて、さらに脳や心臓などの血管に障害がおきる可能性が高くなります。
これらの人々は、より高血圧に注意を払いましょう。
以上です。
アスクレピオス診療院では、糖尿病や高血圧の生活習慣病の専門家が治療に当たっています。
高血圧のことでお困りなら、当院にご相談ください。
参考文献
M R Law et al. Use of blood pressure lowering drugs in the prevention of cardiovascular disease: meta-analysis of 147 randomised trials in the context of expectations from prospective epidemiological studies BMJ. 2009
Costas Thomopoulos et al. Effects of blood pressure lowering on outcome incidence in hypertension. 1. Overview, meta-analyses, and meta-regression analyses of randomized trials J Hypertens. 2014
Dena Ettehad et al. Blood pressure lowering for prevention of cardiovascular disease and death: a systematic review and meta-analysis Lancet
. 2016
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生