糖尿病と大腸がん
糖尿病と大腸がん
公開日: 2019年5月1日
最終更新日: 2022年12月31日
今回は、糖尿病と大腸がんの関係について解説します。
2型糖尿病の人は、明確な理由は不明ですが、大腸がんを発生するリスクが高い事が知られています。
2011年の疫学研究によると、2型糖尿病の人は、糖尿病のない人と比較して、結腸がんを発生するリスクが約38%高いことが報告されています。
大腸がんの初期段階では、自覚症状に乏しいため、定期的な血液が便中に含まれているかどうかを確認するがん検診で早期発見に努めています。
大腸がんの初期には、自覚症状に乏しいのものの、進展した場合には、次のような症状が認められます。
上記に加えて、大腸からの持続的な出血は、貧血を引き起こすことがあり、それに伴い倦怠感をきたす場合があります。
当院での大腸がんの診断は、主に、大腸がんの腫瘍マーカーであるCEA・CA19-9の評価と、自宅で二日間便を採取してもらう便検査を行い、異常が認められた場合には、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)等の精密検査が必要になるため、消化器内科に紹介しています。
糖尿病によって大腸がんが増える理由としては、いくつかの仮説が報告されています。
一つ目の仮説としては、2型糖尿病の人(特に肥満者)では、血中のインスリン濃度が高い(高インスリン血症)という事です。
インスリンは、成長因子のため、異常に高いレベルのインスリンとブドウ糖が、がんの発生を促す可能性が考えられています。
他の仮説としては、高血糖によるDNA障害や、糖尿病による慢性炎症などが挙げられます。
糖尿病の人が、大腸がんのリスクを下げるには、普段の生活で以下の事に気をつけるとよいでしょう。
糖尿病になると、さまざまな合併症をきたします。
糖尿病は、専門家に受診し、適切な治療を受けましょう。
名古屋市で糖尿病内科をお探しなら、糖尿病・生活習慣病の専門クリニック アスクレピオス診療院にご相談下さい。
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文責・名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生