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仮面高血圧とは|名古屋糖尿病内科 アスクレピオス診療院|名東区の糖尿病専門医

仮面高血圧とは

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仮面高血圧とは

公開日: 2021年10月16日

最終更新日: 2022年12月28日

仮面高血圧は、診察室外では血圧が高いのにも関わらず、診察室では、血圧が正常範囲に下がる高血圧です。

仮面高血圧は、人口の約1割の人に認められます。

仮面高血圧は、比較的若い人、男性、日中のストレスや身体活動が多い人、喫煙者や多量のアルコールを飲酒する習慣がある人に多く認められます。

仮面高血圧がある人は、一般的な高血圧と同じように、脳や心臓の血管が傷みやすく、脳卒中や心筋梗塞などの血管の病気のリスクが高まるため、治療が必要です。

仮面高血圧は、健康診断や診察室の外来では発見が難しく、仮面高血圧を発見するためには、自宅で血圧を測定する必要があります。

健康診断や人間ドックで血圧が正常範囲で問題がなかった人も、仮面高血圧の否定のため、自宅で血圧を測定してみましょう。

仮面高血圧とはどのような病気ですか?

仮面高血圧は、自宅などの診察室の外で血圧を測定した際には、血圧が高く、高血圧の基準(家庭血圧 135/85mmHg以上)を満たすものの、診察室で血圧を測定すると、血圧が正常範囲に下がる高血圧を指します。

仮面高血圧の例としては、医療機関の外来で測定した血圧は、130/80mmHgと正常範囲であり、高くありませんが、自宅で血圧を測定した際には、血圧が150/90mmHgと高くなり、高血圧の基準を満たす人です。

一般の高血圧と、仮面高血圧にはどんな違いがあるのですか?

仮面高血圧は、高血圧の一種です。

診察室で血圧を測定したときと、診察室の外で血圧を測定したときの血圧の値が大きく異なる人がいるため、高血圧は、診察室の中と外の血圧の値により、持続性高血圧、白衣高血圧、仮面高血圧の3種類に分類されています。

持続性高血圧は、一般的に言われる「高血圧」で、診察室や自宅で測定した血圧が、高血圧の診断基準(140/90mmHg以上)を満たす人です。

仮面高血圧は、白衣高血圧とは逆に、診察室の外で測定した血圧は、高血圧の診断基準(140/90mmHg以上)を満たしますが、診察室の中で測定すると、血圧が正常範囲に下がる人です。

白衣高血圧は、診察室の外で測定した血圧は、正常範囲になりますが、診察室の中で測定した際には、血圧が上がり、高血圧の診断基準(140/90mmHg以上)を満たす人です。

参考:診察室の内外で測定した血圧に着目した高血圧の分類

  • 非高血圧(高血圧ではない人)
  • 白衣高血圧
  • 仮面高血圧
  • 持続性高血圧

仮面高血圧の人はどのくらいいますか?

仮面高血圧の頻度は、報告によって様々ですが、人口の約1割の人に仮面高血圧があると言われています。

仮面高血圧はどのような人に多いのですか?

仮面高血圧は、比較的若い年齢、男性、日中のストレスや身体活動が多い人、喫煙者や多量のアルコールを飲酒する習慣がある人に多く認められます。

また、糖尿病、慢性腎臓病、睡眠時間が短い人、睡眠時無呼吸のある人は、夜間の高血圧のために、仮面高血圧をきたす可能性があります。

仮面高血圧を診断するためにはどうすればよいですか?

仮面高血圧を診断するには、診察室外(特に自宅)での血圧測定を行う必要があります。

自宅外での血圧測定は、自分で血圧計を購入し、血圧を測定す方法と、24時間血圧測定をし続けることのできる血圧計を装着し、血圧を測定する方法(24時間自由行動下血圧測定(ABPM,Ambulatory Blood Pressure Monitoring)があります。

自分で血圧測定をする場合は、上腕式の血圧計を用いて、朝・就寝前の1日2回、安静時に血圧測定をしましょう。

仮面高血圧の原因はなんですか?

仮面高血圧の正確なメカニズムは不明です。

仮面高血圧は、ストレスの多い生活をしている方にしばしば認められるため、原因の一つとして、心理的な影響が関与している可能性が考えられています。

仮面高血圧を見逃すと、どんな危険がありますか?

仮面高血圧の人は、一般の高血圧(持続性高血圧)と同じく、脳や心臓などの血管の病気のリスクを上げることが知られています。

仮面高血圧の人は、診察室で測定した血圧が正常となるため、定期的な健康診断や人間ドックだけでは、見逃される可能性があります。

自宅などで測定した家庭血圧が、時折、高いのにも関わらず、健康診断や診察室ではいつも血圧が正常になる人は、自宅で定期的に血圧を測定しましょう。

仮面高血圧の人は、将来、一般的な高血圧(持続性高血圧)になりますか?

仮面高血圧の人は、将来的に診察室でも血圧が高くなり、一般的な高血圧(持続性高血圧)になる可能性があります。

カナダの調査では、仮面高血圧の約3分の1の人は、5年後には持続性高血圧に進行したと報告されています。

仮面高血圧は、脳や心臓などの血管の病気のリスクになりますか?

仮面高血圧の人は、血圧が正常範囲の人や白衣高血圧の人と比べて、一般の高血圧(持続性高血圧)と同じく、脳や心臓などの血管の病気のリスクが上昇します。

また、仮面高血圧の人の心臓は、一般の高血圧(持続性高血圧)と同じように、左心室の肥大を認めることが報告されています。

仮面高血圧は治療する必要がありますか?

現時点では、仮面高血圧の治療が必要かどうかは、臨床研究が行われておらず、定まっていません。

筆者の意見としては、仮面高血圧は、将来的な臓器障害につながり、心血管系のリスク上昇を引き起こすことから、早期段階から生活習慣の見直しから始めた方が良いと考えます。

仮面高血圧のある人は、定期的な血圧測定と、塩分制限などの食事療法や定期的な運動、禁煙などの生活習慣の改善を行いましょう。

仮面高血圧に対する薬物療法は、高血圧の程度と、心臓や腎臓などの臓器障害の状態に応じて、判断すべきだと考えます。

仮面高血圧の解説は、以上です。

アスクレピオス診療院では、糖尿病や高血圧の生活習慣病の専門家が治療に当たっています。

高血圧のことでお困りなら、当院にご相談ください。

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