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糖尿病の診断基準 - 糖尿病の診断基準(空腹時血糖値・フローチャート)と背景を含めた解説

糖尿病の診断基準 - 糖尿病の診断基準(空腹時血糖値・フローチャート)と背景を含めた解説

公開日: 2019年10月17日

最終更新日: 2019年10月29日

 
今回は糖尿病の診断基準について説明します
 
糖尿病の診断基準は、主に
 
・空腹時の血糖値
・随時の血糖値
・HbA1c
・75g経口血糖負荷試験の血糖値
 
を基準しています。
 
では、どういう背景でこのような基準に
定められているのでしょうか?
 
糖尿病の診断基準について、
一歩踏み込んで説明します。
 
 
糖尿病の診断基準と家
七彩さんによる写真ACからの写真
 
 
 

 
 
 
 

糖尿病の診断の仕方

 
糖尿病は、血糖値が高くなり、
様々な合併症をきたす疾患です。
 
そのため、糖尿病を疑った場合には、
高血糖の有無を確認します。
 
空腹時には血糖値は正常範囲でも、
食事などで糖分の負荷がかかった時のみ、
血糖値が上昇する方もいます。
 
そのため、糖尿病の基準診断には、
空腹時の血糖値と、随時の血糖値の項目が含まれています。
 
糖尿病の診断基準の一部
 
① 空腹時血糖値 126mg/dl 以上
② 随時血糖値  200mg/dl 以上
 
→ 血糖値の正常値 ー 1日の血糖値の推移を含めた解説 の記事
 
これで、血糖値が明らかに高い場合には、
糖尿病が疑われます。
 
しかし、外来での血液検査では、食事を食べた量も、採血時間もばらばらです。
 
これでは、本当にいつも血糖値が高いかどうかは判断できません。
 
そのため、血糖値が一回高いだけでは判断せずに、
 
もう一回、高血糖を確認したり、
 
HbA1cという過去2~3カ月の血糖値を反映する検査を行っています。
 
→ HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)って何? の記事
 
または、血糖値が高いことに加えて、
 
高血糖により生じる糖尿病に特徴的な網膜症である糖尿病網膜症があれば、糖尿病と診断できます。
 
今言った検査だけでは、糖尿病かどうかが判断がつかない場合には、
 
空腹時に75g(=300kcal)という大量のブドウ糖を内服させる75gブドウ糖経口負荷試験を行います。
 
簡単に説明すると、ブドウ糖ジュースを飲んでもらい、多大な負荷をかけてみて、血糖値が正常に戻るかを見る検査です。
 
(耐糖能の予備能をみています。)
 
→ 経口ブドウ糖負荷試験は糖尿病の診断検査 の記事
 
ブドウ糖の負荷をかけた後に、血糖値が正常範囲に戻らなければ、糖尿病です。
 
 
 
 

糖尿病の診断基準

 
先ほど、糖尿病の診断の仕方をお話ししました。
 
診断の仕方をまとめたものが、
 
下図の糖尿病の診断フローチャートになります。
 
糖尿病の診断基準のフローチャート
 
糖尿病の診断基準では、
 
① 空腹時血糖値 126mg/dl 以上
 
② 随時血糖値 200mg/dl 以上
 
③ 75gブドウ糖経口負荷試験(oral glucose tolerance test : OGTT) 2時間値 200mg/dl 以上
 
④ HbA1c 6.5%以上
 
の場合に糖尿病型と診断します。
 
さらに、血糖値が高いだけでなく、糖尿病の症状があるかどうか、つまり、
 
① 糖尿病の典型的症状(口渇、多飲、多尿、体重減少など)
② 確実な糖尿病網膜症 
 
も診断基準に用いられています。
 
外来受診時に血糖値がたまたま正常範囲に戻ることがあっても、
 
糖尿病に特徴的な所見があれば、
 
糖尿病を発症しているだろうというわけですね。
 
→ 尿糖(糖尿)と糖尿病の関係の記事
 
HbA1cと血糖値が糖尿病型の場合 という項目について、
 
なぜ、HbA1cだけで糖尿病と診断しないかと言いますと、
 
HbA1cのみで糖尿病と診断しない理由は、
 
HbA1cは、赤血球内のヘモグロビンが糖化したもので、2カ月~3カ月間の血糖値の平均を反映するものの、
 
出血などで赤血球の寿命が短くなると、HbA1cが低く出るなどの影響を受けるためです。
 
→ HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)って何? の記事
 
参考文献:
糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告(国際標準化対応版)
 
 
 
 

糖尿病の診断基準はどうやって決まったの?

 
糖尿病の診断基準は、どのように決まったのでしょうか?
 
糖尿病の診断基準は、糖尿病に特徴的な合併症のある人(有病率)が増加し始める血糖値を基準として定められています。
 
下の図は、2型糖尿病の頻度が非常に高いピマ・インディアンの網膜症の有病率を調べた研究です。
 

網膜症の有病率とFPG・2hPG・HbA1cの関係

Diabetes Care 2003;26:s5-s20を一部改変


 
上図から、
 
網膜症の発症率は、一定のFPG(空腹時血糖値)、2HBG(75g経口ブドウ糖負荷試験2時間値の血糖値)、HbA1Cを境に上昇していることが分かります。
 
(この図だと、網膜症発症の閾値は、
 
空腹寺血糖値 116mg/dl~136mg/dl
2時間後血糖値 185mg/dl~244mg/dl
HbA1c 6.0%~6.7%
 
になります。)
 
これは単一の研究ですので、その他の疫学研究も多々行われて、
 
その結果もふまえて、診断基準が作成されています。
 
ところで、今のデータは、外国人のデータでした。
 
日本人の場合は血糖値が高くなると合併症は増えるのでしょうか?
 
下の図は、日本人を対象にして行われた熊本研究という研究です。
 
先ほどの研究とは異なり、網膜症をもっている人の割合ではなく、糖尿病を発症する割合をみています。
 
FPG・2hBG・HbA1cと網膜症の発症率の関係

Ohkubo Y. et al Diabetes Res Clin Pract. 1995 を改変し引用


 
上図からは、どうやら、空腹時血糖値、HbA1cが一定以上に高くなると、網膜症を発症しそうですね。
 
(本研究では、HbA1c 6.9%未満、空腹時血糖値 110mg/dl 食後2時間血糖値 180mg/dl未満では、網膜症・腎症の悪化は認めませんでした。
 
この結果から、糖尿病の管理基準が定められています。)
 
最後に、これまでは糖尿病に特徴的な合併症についてのお話でしたが、
 
心血管合併症については、糖尿病と診断される血糖値よりも低いレベルで上昇し始めます。
 
そのため、糖尿病ではないからと言って、油断は大敵です。
 
→ 「糖尿病内科 in 名古屋」の記事一覧
 
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔