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グリコアルブミン(糖化アルブミン)- 基準値からHbA1c(NGSP)の変換式まで

グリコアルブミン(糖化アルブミン)- 基準値からHbA1c(NGSP)の変換式まで

公開日: 2019年11月10日

最終更新日: 2019年11月17日

 
糖尿病の血糖コントロールの指標は、HbA1cがゴールデンスタンダードです。
 
HbA1cにも様々な欠点があります。
 
HbA1cは、2-3カ月の平均血糖値を反映するため、短期間の急激な血糖値の変化を推定する事には向いていません。
 
また、HbA1cの値は、赤血球の寿命の影響を受けるため、赤血球寿命が変化する時には、血糖コントロール状態の指標として用いる事はできません。
 
グリコアルブミン(糖化アルブミン)は、ブドウ糖が結合したアルブミンです。
 
アルブミンの半減期は、17日と短いため、短期間(2-3週間)の血糖値の変化を鋭敏に反映します。
 
また、赤血球の寿命に関係なく、使用することができます。
 
HbA1cとグリコアルブミンには、それぞれ異なる長所と短所があり、状況に応じた使い分けが必要です。
 
 
糖化アルブミンと空とAGの酵素法
 
 

 
 
 
 

グリコアルブミン(糖化アルブミン)とは

 
グリコアルブミンは、血液中の蛋白質であるアルブミンにブドウ糖(グルコース)が結合した糖化蛋白の一種です。
 
赤血球のヘモグロビンにブドウ糖(グルコース)が結合したHbA1c(ヘモグロビンA1c)と同じく、糖尿病の血糖コントロールの指標に用いられてます。
 
赤血球の寿命が約120日間である一方で、アルブミンの血中半減期は 17日と短くなっています。
 
そのため、グリコアルブミンは、HbA1cが過去2~3カ月の血糖値を反映する一方で、より短期の過去2-3週間の血糖値を反映します。(1)
 
酵素法により測定されています。
 
→ HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー) の記事
 
 
 
 

グリコアルブミンの正常値

 
グリコアルブミンの正常値は、12.3%~16.9%とされています。
 
上記は、日本人の検診者を対象として、75g経口血糖負荷試験を行い、空腹時血糖値が110mg/dl未満、かつ、OGTTの2時間血糖値が140mg/dl未満の耐糖能が正常型のグリコアルブミン値を調べた基準値です。
 
参考:
富永 真琴 他 ヘモグロビンA1C(IFCC値)およびグリコアルブミンの基準範囲の設定 糖尿病 49(10), 825-833, 2006
 
 
 
 

グリコアルブミンに影響を及ぼす要因

 
グリコアルブミンは、グルコースが結合しているアルブミンの割合のため、アルブミンの代謝速度(=半減期)の影響を受けます。
 
アルブミンの半減期が延長する疾患(肝硬変、甲状腺機能亢進症)     :高値
 
アルブミンの半減期が短縮する疾患(ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症):低値
 
以上のように変化します。
 
参考:(2)(3)(4)
 
 
 
 

グリコアルブミンとHbA1cの変換式

 
グリコアルブミンとHbA1cの変換式には、大まかな近似としては、次の式が用いられていました。(4)
 
HbA1c(%) = グリコアルブミン ÷ 3
 
もう少し正確には、グリコアルブミンとHbA1c(NGSP値)の変換式は、韓国人を対象とした臨床研究で次のように報告されています。
 
下図は、GA(グリコアルブミン)とHbA1cをプロットした図です。
 
グリコアルブミンとHbA1cのプロット
 
HbA1c 5.9%付近で折れ曲がっているため、近似式は次の二つの式になります。
 
*HbA1c 5.868%未満
グリコアルブミン(%) = 6.960 + 0.8963 × HbA1c(%)
 
*HbA1c 5.868%以上
グリコアルブミン(%) = -9.609 + 3.720 × HbA1c(%)
 
HbA1c別のGA(グリコアルブミン)の値を表で示すと下図の通りです。
 
HbA1c別のグリコアルブミンの値
 
GA/HbA1cの比は、HbA1cが11.5%を超えると、3になりますが、それ以下では、2~3の間になる模様です。
 
参考・図の引用元:
Jung CH et al. Development of an HbA1c-Based Conversion Equation for Estimating Glycated Albumin in a Korean Population with a Wide Range of Glucose Intolerance PLoS One. 2014
 
 
 
 

グリコアルブミンの血液検査を行う臨床上のメリット

 
グリコアルブミンを測定する臨床上のメリットは、

  1. 赤血球寿命が伸長・短縮するため、HbA1cが血糖コントロールの指標として使用できないとき
  2. HbA1cでは反映しづらい短期間の急激な血糖変動の指標を必要とするとき

 
以上です。
 
1の場合には、一般的な赤血球寿命が変化するとき(例:甲状腺機能異常や溶血性貧血、輸血時など)に加えて、透析時や、妊娠時には有用なマーカーである可能性があります。(5)(6)
 

2の場合には、劇症1型糖尿病などの急激な血糖変動や高血糖を伴う糖尿病の場合には有用である可能性があります。
 
 
 
 
以上が、グリコアルブミンについての解説です。
 
時と場合によって、HbA1cとグリコアルブミンの使い分けが必要ですね。
 
 
→ 「糖尿病内科 in 名古屋」の記事一覧
 
 
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生

 

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