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メトグルコ(メトホルミン) - 体重減少作用(痩せる効果)のある糖尿病の薬

メトグルコ(メトホルミン) - 体重減少作用(痩せる効果)のある糖尿病の薬

公開日: 2019年10月14日

最終更新日: 2019年11月22日

 
メトグルコはメトホルミン塩酸塩の商品名です。
 
メトホルミンは、安価で、用量依存性の血糖降下作用に加え、
 
体重減少、脂質低下、心血管系リスク、がんリスクの低減作用をもつ、
 
糖尿病治療の第一選択薬です。
 
副作用としては、悪心・下痢などの消化器症状が多いのですが、
 
少量より開始し、徐々に増量することで副作用を抑えることができます。
 
 
メトグルコは糖尿病の血糖降下薬
 
 

 
 
 
 

メトホルミンって何?

 
中世ヨーロッパでは、フレンチライラックという草に血糖降下作用があることが知られていました。
 
その植物の抽出物のグアニジンには 血糖降下作用があることが 1918 年に報告され、
 
1950 年代に、その類縁体であるビグアニド剤が開発されました。
 
当時、ビグアニド系の薬として、メトホルミンに加えて、フェンホルミン、ブホルミンなどがあり、使用されていました。
 
しかし、1970年代にフェンホルミンによる乳酸アシドーシスという重大な副作用による死亡例が報告され、フェンホルミンは禁止されました。
 
しかし、メトホルミンはフェンホルミンとは異なり、安全性の高い薬であり、現在も使われています。
 
 
 
 

メトホルミンの製剤名・投与量・薬価

 
メトホルミンの製剤(メトホルミン塩酸塩)は、先発品ではメトグルコなどの名称で販売されています。
 
メトグルコは、250mg、500mgの錠剤が販売されており、成人の最大用量は、1日2250mgまで使用可能です。
 
1日2~3回に分けて、食直前・食後に内服します。
 
薬価は、2019年の時点で、250mg 10.1円 500mg 14.7円 と安価な薬です。
 
(1日1500mg 30日分で、一月1323円、3割負担で、約400円です。)
 
 
 
 

メトホルミンの主作用

 
メトホルミンの主作用は、血糖降下作用です。
 
その作用は、細胞内のAMPKの活性化などの様々な機序を通じて達成されます。
 
作用の例:
 
① 肝臓からの糖新生を抑制する。
② 筋肉や肝臓などでの糖利用を促進する。
③ 血清遊離脂肪酸を減らす。
 
一般的に、糖尿病の血糖降下薬の効果は、同じ薬物でも、患者によって差があります。
 
(例えば、糖尿病を初回治療する方には良く効いても、長期間、罹患している方には効きづらい印象があります。)
 
そのため、HbA1cの改善度は参考程度にして下さい。
 
メトグルコの血糖降下作用は、用量依存性に増加し、一定量までは増やせば増やした分だけ、強くなります。
 
(投与量が一日1500mg~2000mgを超えると、血糖の改善効果は少なくなる報告があります。)
 
食事療法・運動療法で効果不十分な2型糖尿病に対して、メトグルコの治療効果を検討した2相試験の結果を参照すると、
 
HbA1cは、プラセボ群は、0.3%上昇、750mg/日投与した群では、0.7%低下、1500mg投与した群では 1.1%低下しています。
 
メトグルコは、太っていても痩せていても、同等の血糖降下作用があります。
 
→ メトホルミンの国内2相試験(HbA1cの結果)
 
メトグルコは、毎食後に500mgづつ内服しても、
 
朝食後・夕食後に750mgづつ内服しても、
 
血糖降下作用は効果はそれほど変わりません。
 
内服回数をうまく減らせるといいですね。
 
参考文献:
Kanto K. Effects of dosage and dosing frequency on the efficacy and safety of high‐dose metformin in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus. J Diabetes Investig. 2018
 
Garber AJ. Efficacy of metformin in type II diabetes: results of a double-blind, placebo-controlled, dose-response trial. Am J Med. 1997
 
 
 
 

メトホルミンの副作用

 
メトホルミンの代表的な副作用は、消化器症状です。
 
下痢、悪心、腹痛、食欲不振などが認められます。

 
一部の人では、高用量のメトホルミンの内服は、強い消化器症状をひきおこすため、
 
1日1回 500mgから少量のメトホルミンから時間をかけて増量します
 
下痢等の消化器症状が出現した場合でも、内服を継続することにより、症状が改善することがあります。
 
メトホルミンの重篤な副作用には、乳酸アシドーシスがあります。
 
これは、血液中に乳酸が蓄積されて生じる状態です。
 
これは、慢性または急性(脱水など)の腎臓機能が低下したことにより、血液中にメトホルミンが過剰に蓄積した場合に発症します。
 
また、重度の急性心不全、重度の肝障害でも、乳酸アシドーシスを引き起こす可能性があります。
 
メトホルミンは、低血糖をきたしにくい薬剤です。
 
しかし、インスリンとインスリン分泌を促す薬(スルホニル尿素など)と併用している人や、過度のアルコール摂取をされる方だと、低血糖をきたす可能性があります。
 
→ 低血糖についての記事
 
メトホルミンは、ビタミンB12の吸収を妨げることがあり、長期使用時には貧血を引き起こす可能性があります。
 
ほとんどの人にとって、メトホルミンの副作用は軽度です。
 
 
 
 

メトホルミンの副次的効果

 
メトホルミンには、血糖降下作用だけでなく、さまざまな体にとって良い働きがあります。
 
 

体重減少

 
メトホルミンを内服すると体重減少効果があることが報告されています。
 
日本人を対象にした2相試験では、投与開始26週後から有意な体重減少効果が認めれられ、54週投与時には、約1kgの減量効果が認められています。
 
→ メトホルミンの国内2相試験(体重推移の結果)
 
日本人の2型糖尿病の小太りの患者さん(平均BMI 25.3)に、メトグルコ 750mg~2250mgを、54週間投与した場合の、体重減少効果は、平均 1.2kgと報告されています。
 

日本人2型糖尿病患者にメトグルコを投与したときの体重推移

縦軸:体重変化(kg)
横軸:時間(週)


Odawara M et al. Diabetol Int. 2017 より引用
 
上記は、平均のため、体重減少の度合いには個人差があります。
 
インスリンを使用した場合には体重増加をきたすため、併用すると、ちょうど良いです。
 
 
 

LDL(悪玉)コレステロール低下

 
メトホルミンには脂質低下作用があり、血液中のLDL(悪玉)コレステロールのわずかな減少をもたらします。
 
日本人を対象にした2相試験では、メトグルコ1500mgの投与により、LDLコレステロールは、13.6mg/dlは低下しています。
 
→ メトホルミンの国内2相試験(脂質推移の結果)
 
 

心血管系リスクを低減する可能性

 
メトホルミンは、UKPDSなどの過去の臨床研究では、心血管系イベントの抑制効果が報告されていました。
 
現在では、心血管系に対しては悪影響を及ぼさないもの、はっきりとした確証は得られていません。
 
Griffin SJ. Impact of metformin on cardiovascular disease: a meta-analysis of randomised trials among people with type 2 diabetes. Diabetologia. 2017
 
 

がんリスクの低減

 
2型糖尿病患者に、メトホルミンを使用すると、全がんの発症・がん死亡のリスクが低下します。
 
特に、肝がん、大腸がんの発生リスクの低減に有意差が認められました。
 
Gandini S. Metformin and cancer risk and mortality: a systematic review and meta-analysis taking into account biases and confounders. Cancer Prev Res. 2014
 
 
 
以上が、メトホルミンの説明です。
 
高齢者・肝臓や腎機能が悪いなどの禁忌がなければ、2型糖尿病の方なら、メトホルミンが第一選択薬です。
 
 
文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔
 
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