健康診断の要精密検査(要精査・D2判定)を放置するとどうなるの?
健康診断の要精密検査(要精査・D2判定)を放置するとどうなるの?
公開日: 2019年12月11日
最終更新日: 2022年12月29日
健康診断や人間ドックで、要精密検査(要精査・D2判定など)を指摘された方の中には、そのまま何もせずに様子を見ていくと、どうなるのかなと思う人もみえると思います。
結論から言うと、ほとんどの病気は、加齢とともに良くなる病気はほぼなく、何もしなければ、徐々に悪化していきます。
重大な病気が潜んでいた場合には、最初は、自覚症状にあまりなくても、いづれは、生活に支障を及ぼすような症状が出現し、医療機関に受診することになります。
健康診断は、自覚症状の乏しい疾患を、早期発見し、早期治療をするために行っています。
異常を指摘されたら、放置せず、早めに医療機関に受診しましょう。
健康診断等の血液検査や尿検査の結果には、検査結果の隣に、正常範囲(正しくは、基準範囲)が書いてあります。
注意すべき点としては、基準範囲外 = 病気であり、精査や治療が必ず必要であるわけではないことです。
この基準範囲は、いわゆる健常者の95%の人がこの範囲内に含まれる値です。
言いかえると、健常者でも、100人のうち、5人は基準範囲から外れます。
身長や体重に個人差があるように、健常者の検査結果には、個体差があります。
基準値から外れているからと言って、必ずしも病気であるわけではありません。
検査結果が、基準範囲外 = 病気ではないことを説明しました。
では、一般臨床や健康診断などで用いられる精査や治療の必要性を判断する場合の基準値とはどのような値でしょうか?
それは、各検査の数値がその値を超えると、
以上のような値です。
(難しくすると、各専門学会が、疫学的調査研究に基づいて示した疾患の予防、診断、および、治療判定のための検査基準値です。)
また、患者さんの中には、どうして、先生によって、検査結果の説明内容(精査や治療の必要性など)が違うのか、不思議に思われる方もみえると思います。
それは、医学は全てのことが解明されているわけではなく、患者さんの年齢・病状・合併症の有無、担当医の経験や知識、または、何を重視しているのかなどの影響を受けるからです。
検査の判定区分は、施設毎に異なっている場合もあり、一概には言えません。
一例を出すと、人間ドック学会の判定区分では、次のようになっています。
要医療は、病気がある可能性が高いため、精査や治療が必要ということになります。
検査数値には個人差があるため、同じ値でも病気の人と、病気でない人がいます。
しかし、数値が正常値から離れるにつれて、A → B → C → Dと、徐々に病気のある可能性が高くなります。
例として、糖尿病の診断基準に用いられるHbA1cを見てみます。
糖尿病の診断基準に採用されているHbA1c(NGSP値)は次のように区分されています。
(本来は、判定時には、空腹時血糖値も併用しています。)
→ 人間ドック学会 基本検査項目/判定区分(外部リンク)
各HbA1c毎に糖尿病の方がどのくらいいるのかを見てみましょう。