高血圧症って、どんな病気? ー 誰にでも分かる高血圧症入門
高血圧症って、どんな病気? ー 誰にでも分かる高血圧症入門
公開日: 2019年9月27日
最終更新日: 2021年9月22日
「血圧が高いですね。高血圧症は治療しましょう。」
と、よく言われていますが、なぜ、治療しないといけないかが良く分からない人も多いと思います。
高血圧は、正常範囲を超えて、血圧が高くなっている状態です。
ただし、血圧は、激しい運動や興奮した後でも一時的に高くなるため、高血圧症は、持続的に一定以上に血圧が高くなっている状態をさします。
次に、高血圧症をなぜ治療するのかと言うと、高血圧自体には、自覚症状がほとんどありません。
しかし、血圧が高い状態が、数十年続くと、徐々に全身の血管が傷んでしまい、動脈が固く(動脈硬化)なったり、血管が破れて出血したり、動脈が固くなった結果、動脈が詰まったりすることがあるからです。
例えるなら、ゴムホースに高い圧力で水を流し続ければ、ちょろちょろと水を流すよりも早く、ゴムホースがダメになる(=固くなる、破れる)のに似ています。
人は、生まれてから死ぬまで同じ血管を使い続けていますので、圧力(血圧)があまり高い状態が続くのは良くないわけですね。
血圧の正常値については、診察室における血圧で、
正常血圧は、120 / 80 mmHg 未満
高血圧は、140 / 90 mmHg 以上
とされています。
(ただし、血圧の管理目標は、年齢・病状・予後等を考慮するため、人により異なります。)
これは、これ以上の血圧が続くと、将来の血管の病気(例:心疾患・脳卒中など)のリスクが高くなることから決められています。
血圧の降圧目標は、持病や年齢によって変わりるため、それぞれの人の病状を見て判断する必要があります。
(高齢の方では血圧を下げすぎると、立ち上がった瞬間に血圧が下がって、ふらつく場合があります。)
年を取ると、徐々に血管が固くなり、血圧は上がりやすくなります。
若い頃から良い生活習慣に心がけて、良い血圧が維持できると良いですね。
文責・名古屋市名東区の糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔
参考文献:Umemura S. et al. The Japanese Society of Hypertension Guidelines for the Management of Hypertension (JSH 2019) Hypertens Res. 2019
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