体重が増える薬と体重が減る薬には何がある?
体重が増える薬と体重が減る薬には何がある?
公開日: 2019年12月10日
最終更新日: 2022年12月29日
臨床で使用する薬には、体重増加をきたす薬と、体重減少をきたす薬があります。
肥満のある糖尿病患者さんの治療では、体重が増える薬はなるべく避けて、体重を減らす薬の使用が望まれます。
今回は、体重増加をきたす薬、体重減少をきたす薬を紹介します。
体重の増減した値は、臨床研究をまとめた平均値になります。
薬の効果には、個体差があり、投薬により、実際に体重が変化するかどうかは、人それぞれです。
また、臨床研究をまとめたデータのため、薬を投薬した期間も、薬によって異なります。
体重変化の目安として頂けると幸いです。
目次
このタイプの薬は、体重が増えることが多いです。
糖尿病の神経障害による疼痛管理にガバペンチンやカルバマゼピンを使用することがあります。
血糖降下薬で体重が増加する薬は、スルホニル尿素薬、ピオグリタゾン、グリニド製剤です。
インスリン分泌を促したり、脂質を蓄積する作用をもつ薬は、体重が増加します。
→ グリメピリド(先発品 アマリール)とは - 作用機序・作用時間・薬価・低血糖などの副作用を含めた解説
→ ピオグリタゾン(先発品 アクトス)とは - 作用機序、薬価、副作用(心不全、浮腫、膀胱がん)を含めた解説
血糖降下薬で体重が減少する薬は、メトホルミン、αグルコシダーゼ阻害薬、GLP-1受容体作動薬になります。
ただし、欧米人のデータのため、日本人でも同等の効果が得られるかは調査が必要になります。
→ メトグルコ(メトホルミン) - 体重減少作用(痩せる効果)のある糖尿病の薬 の記事
→ GLP-1のダイエット(体重減少)効果とは リバウンドを含めた解説 の記事
体重増加が懸念されるホルモン製剤は、グルココルチコイドになります。
グルココルチコイド(商品名:プレドニン)では、関節リウマチ患者に使用した場合に4~8%の体重増加をしたことが報告されています。
抗うつ薬には、体重増加をきたすものと、体重減少を生じるものがあります。
一部の抗うつ薬には体重増加だけでなく、糖尿病を惹起するもののあるため、注意が必要です。
以上が、体重の増減させる薬の一覧になります。
皆さんの参考になれば幸いです。
参考文献
Domecq JP et al. Clinical review: Drugs commonly associated with weight change: a systematic review and meta-analysis. J Clin Endocrinol Metab. 2015
関連情報
マジンドール(サノレックス)とは 効果(体重減少)・適応・副作用を含めた解説
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生