武漢で入院された新型コロナウイルス肺炎の特徴とは
武漢で入院された新型コロナウイルス肺炎の特徴とは
公開日: 2020年2月2日
最終更新日: 2020年12月28日
新型コロナウイルス感染症が、2019年12月に中国で報告されて以来、日本の感染者数は2月2日の時点で20名となり、徐々に感染が広がりつつあります。
今回は、新型コロナウイルス感染症により、武漢市内に入院された(41例)の方の臨床症状を説明します。
(データは、2020年1月2日までに新型コロナウイルスの感染が確認された入院患者です。)
このデータを見る限りでは、
40代 ~ 50代の人で、高熱、咳、筋肉痛など(痰は4人に1人、ただし、のどの痛みや鼻水などの上気道の症状は乏しい)のインフルエンザ様症状を認めてから、
1週間前後、経過しても軽快せず、息苦しさを認めた場合には、新型コロナウイルス感染による肺炎を疑った方がよさそうですね。
新型コロナウイルス肺炎の感染者の特徴です。
男女差については、男性 73%、女性 27%と男性に多く認められました。
年齢の中央値は、49.0歳です。
四分位の範囲は、41.0歳 ~ 58.0歳となっており、40代から50代の方が多くなっています。
一般的に、インフルエンザなどの感染症でも、糖尿病等の基礎疾患(=持病)があると、重症化する場合があります。
入院された人のうち、13例(32%)の方に基礎疾患があり、糖尿病(8例 20%)、高血圧(6例 15%)、心疾患(6例 15%)などが認められました。
病気の症状は、次の通りとなっています。
少数の方には、頭痛、下痢、喀血等を認めています。
また、入院した方全員に肺炎があり、胸部のCTで異常所見があったとのことです。
まとめると、発熱はほぼ必発、咳は多くの人に認められ、筋肉痛・呼吸困難が約半数の人に生じる模様です。
痰のある人は、4人に1人と少ないですね。
病気の発症から、呼吸困難が出現するまでには、中央値で8.0日になっています。
40代 ~ 50代の人で、高熱、咳、筋肉痛などのインフルエンザ様症状を認めてから、1週間経過しても軽快せず、息苦しさを認めた場合には、新型コロナウイルス感染による肺炎を疑った方がよさそうですね。
引用文献
Huang C et al. Clinical features of patients infected with 2019 novel coronavirus in Wuhan, China Lancet. 2020
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生