小児から20代の平均HbA1cはどのくらい?
小児から20代の平均HbA1cはどのくらい?
公開日: 2019年12月19日
最終更新日: 2022年12月29日
健康診断や人間ドックを受けたり、医療機関で血液検査を受けた際に、HbA1cの項目が測定されている事があります。
受け取った検査結果をみると、HbA1cの基準値は、4.6% ~ 6.2% になっています。
HbA1c 5.6% ~ 6.2%の人では、糖尿病の精密検査であるブドウ糖経口糖負荷試験を行うと、時々、糖尿病の人がみえます。
→ HbA1cの基準値 の解説記事
→ HbA1c 5.6%でも、糖尿病の可能性はあるの? の解説記事
ところで、小児から若年成人のHbA1cっていくつなんでしょうか?
答えは、平均5%です。
ほとんどの小児・若年成人のHbA1cは、4.2% ~ 6.0% の間に含まれます。
日本人の小児・若年成人の平均HbA1cのデータを探しましたが、見当たらなかったため、
米国の国民健康栄養調査の結果を紹介します。
今回、紹介する米国の国民栄養調査の結果は、1988年から1994年にかけて行われたものです。
現在から30年ぐらい前の若干古いデータです。
糖尿病の治療歴のない7968名の5歳~24歳の男女を対象にした平均HbA1cを調査しています。
その結果は、小児から若年成人の平均HbA1cは、4.99%と報告されています。
米国は多様な人種で構成されているため、白人、メキシカンアメリカン(ヒスパニック系)、黒人に分けて調査しても、
とほぼ同等のHbA1cでした。
白人がやや低めで、黒人はやや高めですが、0.2%の差しかありません。
人種差はそれほど大きくなさそうですね。
先ほどの結果は、平均値になります。
次に、HbA1cの分布をみると、下図のようになります。
縦軸:割合(%)
横軸:HbA1c(%)
non-Hispanic white : 白人
Mexicican Americans : メキシカンアメリカン
non-Hispanic black : 黒人
年齢別(才)
肥満は糖尿病のリスク因子です。
体重が増えると、平均HbA1cは、少し高くなります。
過体重
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以上が、小児から若年成人の平均HbA1cになります。
性別・年齢・体重に関わらず、おおよそ平均は5%といったところですね。
ほとんどの人は、4.2% ~ 6.0%の範囲に入ります。
他の記事も興味があれば、読んでいただけると幸いです。
参考文献
Saaddine JB tl al. Distribution of HbA(1c) levels for children and young adults in the U.S.: Third National Health and Nutrition Examination Survey. Diabetes Care. 2002 Aug;25(8):1326-30.
→ 「糖尿病内科 in 名古屋」の記事一覧
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