高血圧とコロナワクチン
高血圧とコロナワクチン
公開日: 2021年8月10日
最終更新日: 2021年10月7日
高血圧とコロナワクチンの情報についてまとめました。
興味がある方はどうぞ。
高血圧は、新型コロナウイルス(COVID-19)に感染した時に重症化しやすくなるなど、感染リスクを高めるからです。
高血圧が新型コロナウイルス感染を重篤化させるメカニズムは明らかになっていませんが、高血圧の合併症(心血管疾患など)が悪影響を及ぼしている可能性があります。
中国武漢の病院からは、心血管疾患(例 心筋梗塞など)のある人は、新型コロナウイルスによる心筋障害を発症しやすく、心筋障害を発症すると、予後が著しく不良になることが報告されています。
新型コロナウイルスは、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)受容体に結合して、細胞に侵入することが知られています。
ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)とARB(アンジオテンシン受容体拮抗薬)などの特定のクラスの薬が、新型コロナウイルス感染リスクを高める可能性があると、当初は懸念されていましたが、その後の研究では、ACE阻害薬とARBは安全に使用可能であると判断されています。
新型コロナウイルスの予防接種を受けることで、新型コロナウイルスに感染するリスクを減じることが可能であり、感染した場合でも重症化を防ぐことができます。
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ファイザー社の新型コロナウイルスの予防接種後に、血圧が上昇したという報告があります。
ファイザー社の新型コロナワクチン接種後の副作用として、接種者の5.3%の人に、ワクチン初回投与後の5日間に自宅での収縮期血圧または拡張期血圧が10mmHg以上認められたと報告があります。
強い免疫応答が生じると、ストレスによって、血圧が高くなる可能性があります。
新型コロナウイルスの予防接種によって、長期的な血圧上昇を引き起こすかどうかは分かっていません。
以上です。
アスクレピオス診療院では、糖尿病、高血圧、脂質異常症等の生活習慣病の専門家が治療に当たっています。
糖尿病、高血圧、脂質異常症でお困りなら、当院にご相談ください。
参考文献
Zhaohai Zheng et al. Risk factors of critical & mortal COVID-19 cases: A systematic literature review and meta-analysis J Infect. 2020
Christopher E. Clark et al. COVID-19 and hypertension: risks and management. A scientific statement on behalf of the British and Irish Hypertension Society Journal of Human Hypertension 2021
Ranu Baral et al. Association Between Renin-Angiotensin-Aldosterone System Inhibitors and Clinical Outcomes in Patients With COVID-19: A Systematic Review and Meta-analysis JAMA Netw Open. 2021
Martina Zappa et al. Blood pressure increase after Pfizer/BioNTech SARS-CoV-2 vaccine Eur J Intern Med. 2021
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文責・名古屋市名東区 糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔 先生