糖尿病とはどんな病気? ー よく分かる糖尿病入門
糖尿病とはどんな病気? ー よく分かる糖尿病入門
公開日: 2019年9月27日
最終更新日: 2021年9月22日
健康診断の結果説明で、「あなたは糖尿病の疑いがあります、精査が必要です。」と言われると、
少なからず、動揺されると思います。
でも、糖尿病ってどんな病気でしょうか?
糖尿病は、血液中の糖分( ≒ 血糖値)が高くなる病気です。
人体では血糖値は常に一定範囲に保たれるように調整されています。
しかし、糖尿病では、血液中の糖分の量を維持する働きが故障して、血糖値が上がってしまいます。
血糖値が高いと、なぜ体に悪いのかと言いうと、
分かりやすいイメージで例えるなら、血管の中をさらさらの血液が流れているのと、
血糖値が高くなり、ドロドロの血液が流れているのを比べた場合、
ドロドロの血液の方が、血管が詰まったり、固くなったりしやすそうなのが想像できると思います。
(医学的には、血糖変動やインスリン抵抗性などが影響します。)
次に、糖尿病で、どこの臓器が故障しやすくなるというと、血液は全身を流れるため、体中の臓器が故障しやすくなります。
糖尿病の代表的な合併症には、眼症、腎症、神経症が挙げられます。
血管・血流は全身いたるところに存在するため、
脳の血管が障害されると、脳梗塞、
心臓の血管が障害されれば、心筋梗塞
といった怖い病気を発症します。
さらに、一見、糖尿病とは関係なさそうに見える認知症、がん、感染症、骨折など、その他、多くの病気に対して弱くなります。
糖尿病の怖いところは、糖尿病になっても、多少、血糖が上がっただけでは、自覚症状に乏しい点です。
自覚症状があったとしても、全身のだるさ、口の渇き、頻尿などの激烈な症状ではないことが多く、受診が遅れることがよくあります。
(例:健康診断の受診機会のなかった専業主婦の方では、知らないうちに、糖尿病を発症し、治療開始が遅れた結果、合併症が進行している例も散見されます。)
糖尿病は、自覚症状に乏しいものの、体ののあちこちの臓器が故障しやすくなったり、故障する病気です。
健康診断を定期的に受診し、異常を指摘されたら、早めに医療機関に受診しましょう。
文責・名古屋市名東区の糖尿病内科 アスクレピオス診療院 糖尿病専門医 服部 泰輔
参考文献:Diabetes Mayo clinic
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